「テクノロジー活用の本質」をテーマに、日本を代表するCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、有識者など約40人が議論した。日経 xTECHが2019年6月18日に都内で開催した「日経 xTECH ITイノベーターズ会議」で飛び出した発言を紹介しよう。

 テクノロジー活用では、やみくもに取り組んでも良い結果は出ない。デザイン思考やアジャイルといったデジタルトランスフォーメーション(DX)に必要な方法論を理解して、正しいやり方を実践するのが成功への近道となる。

 デザイン思考やアジャイルを用いるのは、経営環境の変化に対応するのが狙いだ。現在は、あらゆる企業がGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表される「デジタルディスラプター(既存産業を破壊して市場を奪う企業)」に対抗しないとならない。そこで重要となる要素について「データ、インサイト、カルチャーの3つが鍵」「今まで以上に社員の能力が差異化要素になる」といった話題で盛り上がった。

イノベーションには「規律」が必要

――日経 xTECH 副編集長 中田 敦

 「シリコンバレーに赴任する前は、ディスラプション(革新的イノベーション)を仕掛けるスタートアップ企業は突拍子もない考え方や行動をしていると思っていた。しかし、シリコンバレーで取材を続けるうちに、独特の規律を守っていると分かった」。2019年3月まで日経BPのシリコンバレー支局長を務めた日経 xTECH副編集長の中田敦はこう明かす。

日経 xTECH副編集長の中田敦
(写真:井上 裕康)
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 「ブレーンストーミング、メモの取り方、アイデアの取りまとめ方、ユーザーへの質問術、プログラミング手法、オフィスの作りなど、どこも同じやり方をしていた」と言う。手法が同じになるのは、理論化された方法論を社員が学んで実践しているからだ。

 利用している方法論はデザイン思考やアジャイル開発、リーンスタートアップなどだ。特にデザイン思考が重視されているという。「独学で身に付けようとするのではなく、大学やベンチャーキャピタルに所属するプロのコーチの下で訓練を通じて方法論を学んでいる。プロスポーツ選手に似ている」(中田副編集長)。

 日本企業では、方法論は独学だったり、先輩や上司から習ったりする場合が多く、「中学校や高校の部活と似たイメージ。プロのやり方とは遠い」(中田副編集長)。イノベーションの実現を目指すには、方法論の訓練も含めてシリコンバレー流を参考にするのは1つの手だ。

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