「テクノロジー活用の本質」をテーマに、日本を代表するCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、有識者など約40人が議論した。日経 xTECHが2019年6月18日に都内で開催した「ITイノベーターズ会議」で飛び出した発言を紹介しよう。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する際、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)といった新しい技術を活用するケースが増えている。ここで注意すべきは「目的志向が重要」ということだ。ITイノベーターズ会議では「AIやIoT、ビッグデータといったバスワードに惑わされてはいけない」という発言が多く出た。

AIやIoTの活用はたまたま、目指すは唯一無二の商業施設

――パルコ 執行役 グループデジタル推進室担当 林 直孝 氏

 パルコは2019年11月、東京・渋谷の旗艦店「渋谷パルコ」をリニューアルオープンする。館内では多くの最新テクノロジーを活用する。AIやIoTを使って顧客の購買行動を分析したり、ネット通販を併用する売り場「CUBE(仮称)」を設置したりする予定だ。

パルコの林直孝執行役グループデジタル推進室担当
(写真:井上 裕康)
[画像のクリックで拡大表示]

 パルコの林直孝執行役グループデジタル推進室担当は、6月18日に発表したプレスリリースのタイトルにある「唯一無二の次世代型商業施設」という表現が、渋谷パルコのキーワードであると説明する。

 「渋谷パルコに行かないと味わえない、ネットよりも楽しい出合いを得られる仕掛けをちりばめている」。林氏は渋谷パルコの目指した価値をこう話す。「100人来て100人とも楽しいというのはあまり追い求めていない。ある人にとってはすごく楽しい唯一無二かもしれないが、別の人には全く響かない唯一無二かもしれない」。

 そうしたとがった商業施設の実現を目指し、目的志向で技術を模索した。「重要なのはAIやIoTを用いることではない」。林氏はこう言い切る。技術は「顧客が何かと出合う」という目的を実現するための手段にすぎない。「AIやIoTを用いるのはたまたま」と言う。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら