「データを活用して質の高い医療を提供することで、他の医療機関と差異化できる」――。医療データの活用を行政が推進する台湾では、現場の医師も活用に積極的だった(関連記事)。台北市内から車で30分ほどの場所にある「YI-ER Clinic」で、糖尿病の患者などを診ている医師のCharlie Chou氏にとって、医療データの活用は病院経営にとって欠かせないものになっている。

医師のCharlie Chou氏
(撮影:日経 xTECH)
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 Chou氏はクラウドに集約された医薬品の処方や検査などの情報を「健保医療情報クラウドシステム(NHI MediCloud System)」で確認するのに加えて、民間企業の治療支援アプリを活用して患者の日々の状態を把握し、きめ細かい医療サービスを提供している。治療の成果が高ければ評判となり新たな患者が来院するようになる。さらに、治療の成果が優れていれば報酬が支払われる「Pay for Performance」という制度によって収益アップに直結する。

YI-ER Clinicの外観
(撮影:日経 xTECH)
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 患者が訪れると、患者のICカードとともに自身のICカードを専用端末に差し込んで、過去の投薬や検査などの情報を確認する。確認しなければ「全民健康保険」からの支払いを得られなくなる。2年ほど前までは、データを確認するとインセンティブが得られる仕組みだったが、今では確認作業が必須になっているという。

患者や医師のICカードを専用端末に差し込んでデータを確認する
(撮影:日経 xTECH)

 NHI MediCloud Systemには、さまざまな情報が一元管理されており、「手間は増えるが患者の安全のために欠かせない」(Chou氏)。新規の患者についても過去のデータを容易に確認できる。患者が大きな病院に移る際の連携も容易という。もちろんChou氏が入力したデータもクラウドに集約される。入力した内容の一部が定期的にクラウドに送信される仕組みになっている。

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