VR(Virtual Reality)用のヘッドマウントディスプレー(HMD)のスタンドアローン化が急激に進んでいる。VR用HMDを普及させるには、外部機器が不要で単体動作する手軽さが重要だからだ。本記事では、コンテンツ開発者からも大本命と期待される米Oculus VRのスタンドアローン型VR用HMD「Oculus Quest」と同時に発売された、新しいPC接続型VR用HMD「Oculus Rift S」を徹底分解、その内部に迫った。(Oculus Questの分解はこちら

 米Oculus VRが「Oculus Quest」と同時に発売した、もう1つの新型HMD「Oculus Rift S」は、パソコン(PC)に接続して使用する製品だ。価格は「Oculus Quest」と同じ4万9800円(税込)である。従来製品「Oculus Rift」との大きな違いは、外部センサーが不要になったこと。外部センサーの代わりに、計5つの外部認識用カメラを、HMD前方に2つ、側面に2つ、上面に1つ配置した。これらにより自己位置推定(SLAM)を行い、6DoF(Degrees of Freedom)に対応した(図1)。

図1 亜鉛ダイキャスト製のフレームにカメラとIMUを搭載
Oculus Rift SがSLAMに使用する5つのカメラの内、4つのカメラが亜鉛ダイキャスト製の細長いフレームに取り付けられている。さらに、同じフレーム上にはIMU基板も搭載する。頭部固定用ヘッドバンドは、レンズやディスプレー部分と自由に脱着できる機構を備えている。大きめなスピーカーをヘッドバンドに内蔵していて、耳のそばに音声の出力穴があり、外付けのヘッドホン要らずの仕組みになっている。(撮影:スタジオキャスパー、日経 xTECH)
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 Oculus Rift Sは、中国Lenovoが設計や製造に協力している。そのためか「Oculus Questとは設計思想やチームそのものが大きく異なるのではないか」と、分解に立ち会ったHMD技術者は推測する。「例えると、Questは20~30代のR&Dチームが、Rift Sは40~50代のチームが作っている印象を持った」(HMD技術者)。外側カバーなどに印刷された部品番号に「G」の文字があったため、大手EMS(受託製造)メーカーの中国GoerTek TechnologyがOEM生産を請け負ったとみられる。

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