サイズこそ小さいものの、建設用3Dプリンターで橋を製造した会社は日本にもある。大林組だ。同社は、セメント系材料を扱える3Dプリンター技術を開発。幅50cm、奥行き25cm、高さ50cmの円弧型のブロック部材を製作し、これを合計6つ組み上げて、アーチ橋を試作した。

大林組技術研究所のビオトープに設置されたモルタルのアーチ橋。3Dプリンターで打ち出して製作した。長さ約1.8m、幅約1m、高さ約50cm。圧縮強度は材齢28日で60.6N/mm2、曲げ強度は同3.6N/mm2。上面に見える橋軸方向の筋は、モルタルを積層する際にできた積層痕だ(写真:奥野 慶四郎)
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 この3Dプリンターは、セメント系材料を吐出するノズルと、ノズルを任意の吐出位置に移動させるロボットアームなどから成る。ロボットアームには汎用品を用いている。

 プリント技術の原理は、熱可塑性樹脂を押し出して積層・造形する3Dプリンターと同じだ。製作したい造形物の3次元データを積層ピッチごとの断面にスライスし、その断面データを下から1層ずつ順次プリントして積んでいく。

 冒頭の橋のブロック部材では、層厚10mmの部材断面を50層積み上げるようにプログラムを設定した。1層を約20秒のペースでプリント。15分程度でブロック部材が出来上がる。

3Dプリンターによるブロック部材の積層造形。一筆書きで層厚10mm の1層分を下層から上層に向かってプリントしていく。1層のプリントに要する時間は約20秒、合計50層を15分程度で打ち出す(動画:大林組)

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