国土交通省が2025年のCIM原則化を掲げたことで、現実味を増してきた「CIM時代」――。その本格的な到来を前に、CIMの要点を押さえておく必要がある。ただ、CIMの用語や指針には分かりにくいものが少なくない。

 例えば、ICT施工とCIMとの関係だ。ICT(情報通信技術)を活用して工事を効率化するICT施工を、CIMと捉えている人は多い。ICT施工もCIMも3次元データを用いるために起こる混同だが、両者には大きな違いがある。

ICT施工の例。ICT施工は2019年度、地盤改良工や法面工、付帯構造物設置工、ICT土工(河床掘削など)、ICT土工(床掘り)などに適用を拡大した(資料:国土交通省)
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 ICT施工では通常、設計者が作成した2次元の設計データを基に 施工者がマシンガイダンス(MG)やマシンコントロール(MC)に必要な施工用の3次元データを作成する。そのうえで、MGやMCを搭載したICT建機を使って工事を進める。トータルステーション(TS)による出来形管理などを導入した場合には、施工時に取得した3次元データを成果品として発注者に納める。

ICT地盤改良工の流れ(資料:国土交通省)
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 施工者が設計者から引き継ぐデータと、発注者に成果品として納めるデータのいずれも、属性情報を持っている必要のない点が、CIMとの大きな相違だ。CIMでは、属性情報を付与した3次元モデルを対象とする。

 CIMで取り扱うのは、その名が示す通り、インフォメーション・モデルだ。建設生産の各段階でインフォメーション(属性情報)を引き継いでいくからこそ、作業のミスや無駄を省け、生産性の向上が図れる。インフォメーションのないモデルはCIMとは呼べない。

 ICT施工もCIMも、3次元データを活用するという点では同じだ。しかし、3次元の「形状」だけで済むICT施工と、3次元の形状に付与された「情報」をより重視するCIMとは、似て非なるものだ。3次元データの活用、イコールCIMではない。

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