世界にユニコーン企業(推定企業価値が10億ドルを超える未公開企業)は300社以上あるといわれる。中国には202社で、2019年第1四半期には中国で21のユニコーンが新しく生まれたとの調査もある。

 2013年に創業したロボットメーカーのメイクブロックは2018年8月時点の推定企業価値が3億6700万ドルといわれるユニコーン予備軍だ。同社は、科学・技術・工学・数学に重点を置くSTEM(ステム)教育用のロボットを手掛ける。

 子どもたちはモーターやセンサーなどを内蔵した数十種類の部品を組み立てた後で、アプリをダウンロードして、センサーを制御するプログラミングを学ぶ。コースの上を走らせたり、障害物をよけたり、他のロボットと対戦したりと、楽しみながら学習できる。米有力ベンチャー・キャピタルのセコイア・キャピタルの中国支社などが出資している。2018年12月期の売上高は約2億元(約31億円)だ。

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メイクブロックの王建軍創業者兼CEO。日本経済新聞社主催「第25回国際交流会議アジアの未来」のために来日した

 王建軍創業者兼CEO(最高経営責任者、33)は中国本土と香港をつなぐ玄関口、深セン市で同社を創業した。王CEOは中国の中央部に位置する古都、西安市の西北工業大学で航空機の設計を学んだ。しかし、かねて関心のあったロボットの分野で起業したいと考えを巡らせた結果、深センで創業することを選んだ。

 電子回路基板、ケース、表示パネルなどを手掛ける各工場がつながる「強いサプライチェーン(供給網)」があることが、創業の地に深センを選んだ理由の1つだ。「中国は世界の工場」といわれたのが1990年代末。中心的な役割を果たした深センには電子機器関連の工場が集積している。

 深センの気風も気に入った。もともとは小さな村にすぎなかった深センが急速に発展したのはこの30~40年のこと。古くからの住民がほとんどおらず、新参者に対してオープンだという。

 深セン市の政府がスタートアップ支援に熱心だったことも決め手の1つだ。通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)やネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)、通信機器大手の中興通訊(ZTE)やドローン機体で世界トップシェアを持つDJIなどの本社も深センにある。

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