中国バイドゥ(百度)がネット企業3強、いわゆる「BAT」の一角から脱落する可能性が浮上してきた。2000年創業の同社は言わずと知れた中国インターネット検索最大手。だが、インターネット端末の主役がスマホに変わってからは勢いに陰りが見え始める。とりわけ、アリババ集団とテンセント(騰訊控股)がスマホ時代を見据えた新サービスを矢継ぎ早に打ち出し、新たなエコシステムの構築に成功したのに対して、バイドゥは検索サービスにこだわり過ぎて他領域への進出が出遅れた。

 2019年5月16日に発表した2019年1~3月期の最終損益は、3億2700万元(約50億円)の赤字だった。スマホへの対応に遅れ、マーケティング費用がかさんだ。四半期ベースでの赤字は2005年の上場以来、初という。現在、株価(19年5月24日時点)は昨年同時期の半分程度に下落している。赤字の衝撃はしばらく続くだろう。

動画配信サービスが収益の柱に

 バイドゥも手をこまぬいているわけではない。検索を軸にした多角化に挽回を図る。具体的には動画配信サービス「愛奇芸(アイチーイ)」の設立や、旅行サイト「どこへ」への投資、O2O(オンラインtoオフライン)生活サービスやFinTech分野への参入などである。

 中でも好調なのは動画配信サービスの「愛奇芸」。2010年に始まった同サービスは2011年から有料会員サービスを開始。その後も順調に成長を続けた。バイドゥは愛奇芸を子会社化し、2018年3月に米国ナスダック市場に上場させた。

 中国の「Netflix」を目指す愛奇芸は、オンライン広告、有料会員費、IP関連収入を主な収益源とする。単なるテレビ番組のオンライン化ではなく自らドラマやバラエティー番組を制作し、新たな利用者の獲得を目指す。2018年は3000万人超の新規会員を獲得し、有料会員収入は128億元と前年から倍増したという。

 中国のインターネット業界では無料サービスによる利用者の囲い込みが当たり前で、有料化は利用者離れを招くとされていた。愛奇芸の成功は消費者マインドが変わる兆しかもしれない。

 このほかバイドゥは、短編動画投稿サービスにも進出している。2017年11月に「好看ビデオ」の名称でサービスをリリースした。日本でも人気の高い「抖音ビデオ(日本ではTikTokとして展開)」を追撃する。

 愛奇芸をはじめとする娯楽関連サービスの拡充によって、バイドゥの売り上げに占める広告収入は9割超から8割にまで低下した。検索サービスを基にする広告収入依存から脱却しつつある。

バイドゥの収入源別売上高の推移(億元)(2003年~2018年)
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