実大試験体を用いた実験で夏型結露を検証する――。前回記事に続いて、検証結果を報告する。今回は、4試験体それぞれで防湿層裏面(壁内側)と断熱材に付着した結露水の量を調べた。防湿層裏面の結露は、20g/m2弱の付着量で壁内下部に流れ落ちることを確認(動画あり)。断熱材に使用したグラスウールにも多く付着して、性能低下を招く恐れがあることも分かった。

 夏型結露が招く住宅被害の代表例は、壁体の防湿層裏面(壁内側)に付着した結露水が下に流れ落ちて、土台や床材にカビが生じたり、腐朽したりすること。結露水が下に流れ落ちる上限量は、付着面の平滑具合などで異なる。実験の監修役を担った土屋喬雄・東洋大学名誉教授が過去に、窓ガラスに付着した結露で調べた際には、20g/m2を超えると下に流れ落ちたという。今回の実験でも、試験体の防湿層裏面と断熱材に付着する結露水の量を調べた。

防湿層を流れ落ちる結露水
試験体1の防湿層裏面で結露水が流れ落ちる様子(19年5月16日の追加観測時)。試験体の上部で水滴と化し、次第にスピードを上げながら落下していた(動画:神谷 昭範)

 今回の実験は、前回記事まで報告した実験期間の後、2019年5月12日と16日の2日間で実施した。結露水の量は次の手法で計測。まず試験体1~4それぞれについて、壁の高い位置で防湿層(1~3は透明ポリエチレンシート、4は可変透湿気密シート)を同面積で切り取り、各シートに付着する結露水を吸い取り紙に吸収〔写真1〕。吸い取り紙はいずれも同サイズで、乾燥状態で測定した1枚当たりの重さと水を吸い取った後の重さを比較して、増加分を結露量として計測した〔写真2〕。

〔写真1〕防湿層に付着した結露水を吸い取る
各試験体の高い位置で防湿層(試験体1~3は透明ポリエチレンシート、4は可変透湿気密シート)を300mm×300mmで切り取り、裏面(壁内側)に付着した結露水を吸い取り紙で吸収(写真:日経 xTECH)
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〔写真2〕吸い取り紙の重量差が結露量
水を吸い取る前後で紙の重さを測定し、その差を結露量とした(写真:日経 xTECH)
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 断熱材は、試験体1~4の防湿層を切り取った位置で、試験体に使用したグラスウールをそれぞれ同じ体積になるようにカットして取り出し、重さを調べた。その後、電子レンジで乾かし、乾燥前後の重さの差を結露量とした〔写真3、4〕。

〔写真3〕断熱材に付着した結露量を調べる
断熱材(グラスウール24K)は、各試験体で150mm×150mm×100mmの寸法に統一して試験片を採取(写真:日経 xTECH)
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〔写真4〕乾燥前後の重量差を計測
結露水が付着した状態で断熱材の試験片の重量を測定したうえで、電子レンジで乾かす。乾燥後の重量も計測。乾燥前後の重量差を結露の付着量とした(写真:日経 xTECH)
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