米中貿易摩擦や米国政府による中国・華為技術(ファーウェイ)の余波が、米国企業にも本格的に及び始めた。「iPhone」のサプライチェーンは変更を余儀なくされるのか。「空飛ぶクルマ」の技術開発も活発だ。

[1]鴻海の幹部、「米国向けiPhoneは中国以外で製造可能」

 台湾の鴻海精密工業(ホンハイ)は2019年6月11日、米アップル(Apple)の「iPhone」の米国向け出荷分について、中国以外で製造することが可能との見通しを明らかにした。同日に台北で開いた投資家向け説明会で、新たに設置した運営委員会のメンバーに指名された劉揚偉氏が述べたと、ブルームバーグ通信などが同日、報じた。同氏は、「我々の生産能力の25%は中国国外にある。インドでも投資を行っており、アップルの需要を十分に満たすことができる」とし、米中貿易摩擦の影響でアップルが生産体制の変更を必要とする場合、十分に対応できると表明したという。

[2]フェイスブックの暗号通貨にビザやペイパル、ウーバーなどが参加

 米フェイスブック(Facebook)が2019年6月第4週に独自の暗号通貨を発表する見込みだと米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が同月13日、報じた。クレジットカード大手の米ビザ(Visa)や米マスターカード(Mastercard)、配車サービス大手の米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)、決済サービス大手の米ペイパル・ホールディングス(PayPal Holdings)など十数社がプロジェクトに参加する見込み。これらの企業は暗号通貨を管理・運営するためのコンソーシアムに、それぞれ約1000万ドルを出資するという。WSJは5月、暗号通貨ベースの決済システムを立ち上げるため、フェイスブックが多数の企業にプロジェクトへの参加を呼びかけていると報じていた。

[3]ウーバー、「空飛ぶタクシー」の実証実験を豪メルボルンでも開始

 ウーバーテクノロジーズは2019年6月11日、「空飛ぶタクシー」の実証実験都市に、オーストラリアのメルボルンを選んだことを明らかにした。同社は電動の垂直離着陸機を使った都市内移動サービス「ウーバーエアー(Uber Air)」に関して、ロサンゼルスとダラスで2020年に実証実験を行う予定。今回、初めて米国外の都市を選んだ。メルボルンでも同様に20年に実証実験を開始し、23年に商用サービスを始めたい考え。

[4]FCA、アマゾンが出資する自動運転技術の新興企業と商用車開発で提携

 欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は2019年6月10日、米新興企業オーロラ・イノベーション(Aurora Innovation)と、自動運転車を共同開発することで基本合意したと明らかにした。オーロラのソフトウエアやセンサー、データサービスを用い、レベル4(高度自動運転)技術を搭載する商用車を開発する。オーロラは、カリフォルニア州パロアルトに本社を置く2017年創業の企業。米グーグル(Google)のグループ会社ウェイモ(Waymo)の立ち上げに携わった人物が、最高経営責任者(CEO)を務めている。2019年2月に実施した約5億3000万ドルの資金調達には米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)などが参加した。オーロラは、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)や韓国・現代自動車(Hyundai Motor)とも提携している。

[5]フェイスブック、英国で技術職を多数新規雇用、有害コンテンツ排除に取り組む

 フェイスブックは2019年末までに、英国ロンドンで約500人の技術職を新規雇用する。そのうちの100の役職は、AI(人工知能)関連で、多くは悪質コンテンツや偽アカウント、有害な行為を発見・削除するためのシステムに携わると、英ロイター通信が同年6月12日、報じた。「新たな雇用は、我々の英国への深い関与を示すだけでなく、積極的に有害コンテンツを取り除くという決意も示す」と欧州・中東・アフリカ担当バイスプレジデントのニコラ・メンデルソン氏はコメントしている。米フォーブスによると、フェイスブックは同月に新たな技術センターをロンドン・ソーホー地区に開設した。同社の2018年末時点の英国従業員数は2300人。19年末までに3000人に増やす予定で、そのうちの1800人が技術職という。

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