日立製作所のIT関連の部隊、通称「マル情」の20年は、再編・統合を繰り返してきた歴史だ。非中核の事業を切り離しながらITサービスに経営資源を集中してきた。2016年にIoT(インターネット・オブ・シングズ)基盤「Lumada」を市場に投入してから、ITサービスに集中する動きはさらに加速。2018年度にはIT関連事業で悲願の売上高営業利益率2桁を達成した。

 マル情の過去20年を振り返ると、大きく3つの期間に分けられる。まず1999年度から、リーマン・ショックを経て日立が過去最大の最終赤字に陥った2008年度までの10年間だ。非中核事業を切り離したり、他社との合弁に切り替えたりしながら、収益力を底上げしようとした時期である。

 2000年3月に米国でメインフレーム事業から撤退し、2004年にATMやネットワーク機器の製造・販売を他社との合弁に相次いで切り替えた。2007年には、家庭用パソコンから事実上撤退することが明らかになった。

日立製作所のIT関連事業の主な出来事
時期概要
1999年4月ストレージなどを製造・販売する日立データシステムズを完全子会社に
2000年3月米国のメインフレーム事業から撤退。ストレージに経営資源を集中
11月会計監査法人の米グラント・ソーントンのITコンサルティング部門(現・米国日立コンサルティング)を買収
2001年3月NTTデータと業務提携。第二地銀向けに同社の勘定系パッケージ「BeSTA」を担いで共同システムを販売へ
2002年12月米IBMからハードディスクドライブ(HDD)事業を買収
2003年1月日立ユーザーの広島銀行が日本IBMの共同システムに乗り換え、地銀上位行の案件を失う
2004年10月ATMを製造・販売する日立オムロンターミナルソリューションズを設立
10月日立とNECの合弁でネットワーク機器を製造・販売するアラクサラネットワークスを設立
2007年3月ビジネス向けパソコンの製造から撤退し、日本HPから供給を受けると発表
10月家庭用パソコンから事実上撤退することが明らかに
2008年12月三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)の勘定系システムの統合プロジェクトが完了、メガバンクのメインベンダーの立場を失う
2010年2月日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービスを完全子会社に
10月日立ソフトウェアエンジニアリングと日立システムアンドサービスが合併し、日立ソリューションズに社名変更
12月ITサービスを手掛ける米シエラ・アトランティックを買収
2011年10月日立電子サービスと日立情報システムズが合併し、日立システムズに社名変更
2012年3月米ウエスタンデジタルにHDD事業を売却
5月マレーシア証券取引所に上場する金融ITのイービーワークスを買収。情報・通信システム社として上場企業の買収は初
2013年4月グループ2社を合併し、日立情報通信エンジニアリングを設立
10月国内に分散する製造機能を統合し、日立情報通信マニュファクチャリングを設立
2014年3月インドのプリズムペイメントサービス(現・日立ペイメントサービス)を買収
3月情報・通信機器向けの半導体の製造事業を終了(青梅事業所の閉鎖)
8月米アマゾン・ドット・コムとの本格提携を含めたクラウド事業の新戦略を発表
2015年3月SAPシステムの運用などを手掛ける仏オキシアを買収
4月日立ソリューションズの約4000人の社員が日立本体に転籍
5月ビッグデータ分析ソフトを開発する米ペンタホを買収
2016年2月日立オムロンターミナルソリューションズの豊川事業所を旭本社に統合
4月マル情を“解体”。サービス&プラットフォームBUなどに再編
5月IoT基盤の「Lumada」を提供開始
5月ストレージを生産する小田原拠点を閉鎖し、サーバーなどを製造する秦野拠点に集約
9月通信キャリア向けのネットワーク機器を製造する戸塚事業所を閉鎖
2017年5月メインフレームの製造から撤退すると発表
9月日立データシステムズとペンタホを統合し、日立ヴァンタラを設立
2018年3月アラクサラネットワークス株式の日立保有分を日本産業パートナーズに売却
4月日立グローバルデジタルホールディングスを設立。日立ヴァンタラと米国日立コンサルティングを傘下に
4月日立情報通信マニュファクチャリングの株式と関連する製造資産をUMCエレクトロニクスに売却すると発表
10月日立ヴァンタラがAWSなどへの移行を支援する米リーンクラウドを買収
2019年1月インド最大の国営商業銀行であるインドステイト銀行と合弁会社を設立

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