意味のある「放置」を

井野辺 話を少し変えて、「とは言っても時間がない」のは多くの人が抱えている悩みですよね。

Biki うん。どうしても「緊急性」が「重要性」に勝ってしまう。

(イラスト:勢川びき)
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井野辺 目の前のことを取りあえずこなすことで時間が使われていく…。

Biki どうしても「緊急性:大」かつ「重要性:小」のことから手を付けて、「緊急性:小」かつ「重要性:大」のものは後回しになっていまいがち。

井野辺 どっちも「小」のコトばかりやっている人も周りにはいるけど。

Biki それは放っておこう(^o^;)。「重要性」が「志」と大きく関連するはずです。だから「志」をしっかり持っていないと、「緊急性」にずっと取り込まれてしまう。「重要性」と「緊急性」を混同してしまっている人も多い。

井野辺 そうは言ってもカードにあった悩みのように働き方改革とかで残業は制限されるし、やることは山積みだし…。

Biki 実は緊急性が高そうなことを「緊急だから」とやることで、ますます時間が無くなってしまっているケースが多々あります。

井野辺 いや、緊急だからやらざるを得ないですよね。

Biki よく考えるとそうでもないことがある。まず、「意味のある放置」が効くケース。

井野辺 意味のあるホウチ?

Biki やらなければいけないことをどうやるかを検討してみると、現時点では複数の「未定」項目があることが分かる。そこで少し待ってみると、その「未定」項目の幾つかが消えたり解消されたりして、全てに備える必要がなくなる。

井野辺 「待つ」のが「放置」ということですか。放置すると選択肢が自然消滅することってあるのかな。

Biki 結構あります。真面目な人になればなるほど選択肢がまだ多い状態で全ての選択肢に対して準備をしておこうとする傾向がある。例えば、来年度予算を取りまとめる立場にある人が、来年の各テーマでどういった活動をするかがまだ決まっていない段階で、「もしこのテーマがこうなれば」などと考えて、情報を集めて全てのケースに対してシミュレーションしておこう、なんてことをすると、大変なパワーと時間を使ってしまう。

 実は、そういったケースでは各テーマの活動内容がある程度分かるまで放置しておけば、検討しなければならない選択肢や範囲は劇的に狭まる。方針が出る前からあれこれ詳細を検討するようなことも同じ。出てから考えればいい。

井野辺 思い当たる節があります。

Biki もちろん「意味のない(・・)放置」をしてしまって仕事が進まないとか周りに迷惑をかけるとかの輩も山ほどいるので、それは気を付けて。

井野辺 何を「放置するべきか」を考えるのにはそれほど時間は使いませんものね。