Biki それが、実際に「無視する実験」をしてみると、かなりの確率で「何も起こらない」のです。

井野辺 ほんとですか?

(イラスト:勢川びき)
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Biki ほんとです。私の場合はシリコンバレーに5年半駐在して、その後に帰国したら、会社の中では見慣れない意味が分からないルールやプロセスであふれていた。そこで、「なんでこんなことやらないといけないんだ?」と思うものは「無視」して、何が起こるか実験していました。で、ほとんど何も起こらなかった。

井野辺 しつこいですが、ほんとですか?

Biki ほんとです。また、最近は「社内プロセス」の名で、ITシステムを使って自動的に様々な書類が送られてきて対処しなければいけないことが山ほどあって、これも多くは単なる無駄なのだけれど、まじめな社員の皆さんは全てに対処していて、疲れ切って、本来の仕事に時間も気持ちも回らないようになっています。

井野辺 あるある、そういうよく分からない社内システムへ返答しないといけない文書。

Biki でも、「XXを記入してください」という枠に、何も書かないでOKを押すと「この項目は必須です」などと自動で返ってくる。そこで、何も書かないことと同じだけど「スペース」を入れてみると、結構すんなりシステムは受け付けてしまうことがある。

井野辺 バカみたいですね。

Biki システムもバカだけど、そういう社員の時間を食っているのを意識しないで無駄なプロセスを作っているやつらの方がもっとバカ。おまけに、そういういい加減な返答でも、何も問題は起こらないことが多い。

井野辺 そうなんだ。今度やってみよう。

人として悪いことはしない

Biki でも、たまには担当者から連絡が来て「対応してくれないと困る」と言われることもある。その時は「なぜ?」と聞くと、これもかなりの確率でちゃんと答えられない。「そうなっていますので」というのが決まり文句。そういう場合は「そうなのですね」と言って、無視をする実験を続けていれば、そのうち何も言わなくなる。理由が明確な場合で、納得すれば対応してあげたけどね。

井野辺 なんか敵をたくさん作りそうですね。