登場人物紹介

Biki(≒瀬川秀樹)
数年前までリコーに長年勤め、新規事業開発センター副所長や未来技術総合研究センター所長を歴任。現在はベンチャーから大企業まで幅広く新規事業のメンターや若手育成研修などを行っている。

(イラスト:勢川びき)
井野辺くん(井野辺祥雲)
大企業に勤める元エンジニア。入社10年目。現在は新規事業の立ち上げを行っている。

[♪オープニングの音楽♪]

Biki 深々とした夜の闇に心を休める時、いかがお過ごしでしょうか。大企業の中で新しいことにチャレンジしたいのにいろんな壁にとらわれてモヤモヤしている若いアナタの背中を押す「ラジオ風コラム」の時間です。お相手は私Bikiおじさんと…。

井野辺 こんばんは。まだ若いと言われながらモヤモヤを感じなくなりつつある井野辺です。

Biki 良いような悪いような…。大丈夫?

井野辺 まだこのコラムも4回目ですけど、なんかモヤモヤが晴れてきたような気がする、ということです。

Biki だったらいいけど。

井野辺 もっとスッキリしたいので、さっそく悩みが書かれているカードを引いていいですか?

Biki どうぞ。

井野辺 カードはまだまだいっぱいあるなあ。みんないろんな壁にぶつかってモヤモヤしているんだなあ。じゃ、まずよく切って…コレで! えーと「上司のコメント」というタイトルですね。2次元バーコードを読み込ませて再生してみます。

(カードを読み込んで再生された動画)入社9年目の技術職です。日々の開発テーマから発想を得て新たな事業が作れる可能性を思い付いたので、ぜひ実際にやっていきたいと思って、上司に提案してみたのですが、「それがどれほどの売り上げの事業になると思うのか? ウチの会社のサイズなら100億円以上でなければ事業とはいえない」とか「なんでそんな事業をウチの会社がやらなければならないんだ。今の事業と全然違うじゃないか」とか言われて、なかなかOKを出してくれません。もう3回提案しましたが同じようなことばかり言われて埒(らち)があきません。もう心が折れてきたので提案するのもやめようかと思っています。でも、なんか…。悔しいです。

井野辺 あー、こういう話、よく聞きますね。せっかく思い付いた新規事業のアイデアなのに、売り上げが小さいからという理由で拒絶されるって。

Biki 確かによくあるね。それと「なんでウチの会社が」というのもよくある

井野辺 どうすればいいのでしょうか。

一見まともに見えるケチつけコメント

Biki その前に、この手の一見まっとうに聞こえるコメントもほとんどは単に「ケチつけ」であるということは理解しておこう。ここの「売り上げが小さい」と「なんでウチの会社が」は「2大ケチつけ」。

井野辺 え? ケチつけなんですか? 大きな売り上げの事業になりそうかはまっとうな質問にも聞こえますけど。

Biki ケチつけは、ケチをつけるだけ。つまり、「じゃあ、どうしたらいいか」を一緒に考えない。上司なのだから、それなりの経験や知見を持っているはずなのに、「ちょっとその売り上げ可能性じゃ小さいよね。最初の入り口の事業としてはいいとして、その後に○○という事業に拡大できる可能性もあるんじゃない? そうすれば、大きな事業としての可能性も言えるようになるよ」というような、「どうやれば提案を前に進められるか」を若い提案者と一緒に考えるべきなんだ。提案を止めるためのコメント」ではなく。

井野辺 そういう上司だったらいいですね。

Biki 単なるケチつけコメントの場合は、それに対してちゃんと答えられたとしても、次のケチつけコメントを出してくる。

井野辺 つまり…。