すべてのモノがネットワークにつながるIoT時代、IT技術者ならネットワークに関する基本的な知識は不可欠だ。そこで本特集では日経NETWORKの過去記事を再編集。全12回で基本的なネットワーク技術を分かりやすく解説する。

 IPネットワークの通信では、MACアドレス、ポート番号、IPアドレスの三つの識別番号を使う。このうち、MACアドレスは機器ごとの固有の番号で、ベンダーが出荷時に割り当てる。

 ポート番号は、サーバーとクライアントがアプリケーションを識別するもの。サービスを提供するサーバー側のポート番号はサーバーソフトが決め、それを利用するクライアント側のポート番号はTCPもしくはUDP処理ソフトが割り当てる。

 では、ネットワークの住所に当たるIPアドレスは、どうやって決まるのだろうか。今回は、各ホストにIPアドレスを割り当てる2種類の方法と、割り当て方法の一つであるDHCPの仕組みを見ていこう。

動的割り当てはサーバーが管理する

 IPアドレスの割り当て方法には、静的と動的の2種類がある。

IPアドレスの割り当て方法には2種類ある
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 静的とは、ネットワーク管理者がIPアドレス一つひとつを管理する方法である。ユーザーがコンピューターをネットワークに接続するときは、管理者に問い合わせて空いているIPアドレスを提示してもらう(図の上)。

 一方の動的は、サーバーがIPアドレスを管理し、コンピューターとサーバーが通信することでIPアドレスを割り当てる方法である(図の下)。

ほかのネットワーク情報も同時に割り当てるDHCP

 IPアドレスの動的割り当てには、通常DHCPという仕組みを使う。DHCPは、IPアドレス以外のネットワーク情報も管理できるため、ユーザーはネットワークのほとんどの設定を自動化できるメリットがある。

 管理者は、DHCPサーバーで割り当てに使えるIPアドレスの範囲や所属するネットワークを示すサブネットマスク、別のネットワークのコンピューターと通信するためのデフォルトゲートウエイなどをあらかじめ設定しておく。

DHCPサーバーはIPアドレス以外のネットワーク情報も割り当てる
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 そして、サーバーはDHCPクライアントから問い合わせがあると、IPアドレスだけでなく、これらの情報も同時に伝達するようになっている。

 DHCPサーバーの機能は、ルーターやスイッチ、家庭用ブロードバンドルーターなど、多くのネットワーク機器が標準で搭載する。またDHCPクライアントの機能は、ほとんどのOSが標準で搭載しており、初期設定で有効になっている。

 さらにクライアントは、取得したネットワーク情報を使って自動で設定を行う。そのため、DHCPサーバーが有効になっているネットワークなら、購入したばかりのコンピューターでもすぐにネットワーク通信を始めることができる。