すべてのモノがネットワークにつながるIoT時代、IT技術者ならネットワークに関する基本的な知識は不可欠だ。そこで本特集では日経NETWORKの過去記事を再編集。全12回で基本的なネットワーク技術を分かりやすく解説する。

 IPネットワークでは、アプリケーションの通信データを細切れにして、IPパケットに入れて送出する。その際、IPパケットのヘッダーには、データの宛先がIPアドレスで指定されている。IPアドレスは、IPネットワークに接続された機器(ホスト)に割り当てる──。これが、前回までに解説した内容である。

 今回は、ネットワーク機器がIPアドレスとは別に持っているアドレス、「MACアドレス」について解説する。

48ビットで表す世界で唯一の識別番号

 MACアドレスは、ネットワーク機器を識別するための番号である。「物理アドレス」や「ハードウエアアドレス」と呼ばれることもある。

 MACアドレスのMACとは、Media(またはMedium)Access Controlの略で、ネットワークに接続されているイーサネットカードなどのハードウエアを制御することを指す。LAN関連の仕様を策定する標準化団体「IEEE802委員会」は、MACアドレスを「MAC-48」として規定している。

 各ホストは、LANポートごとに一つのMACアドレスを持つ。

ホストに設定されたMACアドレス
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 アドレス情報は48ビットで、下図のように12けたの16進数を2けたごとに区切り、「-」(ハイフン)や「:」(コロン)でつなげるか、スペースを空けて表記することが多い。

MACアドレスは48ビットの識別番号
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 MACアドレスがIPアドレスと大きく異なるのは、出荷時にベンダーがあらかじめ割り当てている点と、世界で唯一のアドレスである点だ。

 MACアドレスは、各ネットワーク機器のフラッシュメモリーなどに記録されている。48ビットのアドレスのうち、前半の24ビット部分は「OUI」と呼ばれる。OUIはIEEEがベンダーに割り当てた固有のIDで、OUIからどのベンダーの製品かわかるようになっている。

 後半の24ビット部分は、ベンダーが自由に決められる識別子である。同じOUIで重複しないように規定されている。

 自分が使っているネットワーク機器のMACアドレスは簡単に確認できる。ネットワーク機器に貼付されたシールにMACアドレスが記述されていることが多い。

 また、LANポートを搭載したWindowsパソコンなら、コマンドプロンプトで「ipconfig /all」と実行すると、「物理アドレス」で始まる行にLANポートのMACアドレスが表示される。ハードウエアを識別する番号なので、IPアドレスと違い、ネットワークに接続しなくても確認できる。