ADSLは、メタル電話線を使用して高速通信を実現するDSL(デジタル加入者線)技術の一種だ。現在、主に使われているDSL技術としては、ADSLのほかにVDSL(Very high bit rate DSL)もある。

FTTHの一部ユーザーが使うVDSL

 ADSLはNTT局舎からユーザー宅までの通信で使われ、キロメートル単位での伝送が可能だ。これに対してVDSLは主に集合住宅で使用され、伝送距離は短くなるが、伝送速度はVDSLのほうが高い。ADSLは高速なサービスで最大50Mビット/秒なのに対し、VDSLは最大100Mビット/秒となる。

 VDSLは一部の集合住宅で使われている。集合住宅向けFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)サービスで、集合住宅内だけVDSLを使うケースがあるのだ。共用部までは光ファイバーを敷き、その先は既設のメタル電話線を使って通信する。各部屋にはVDSLモデムを置き、そこにメタル電話線をつなぐ。

VDSLはADSLと同じDSL技術に分類されるが、使う場所に違いがある
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FTTHサービスで利用するVDSL対応ルーターの背面。電話線をつなぐポートがある
(出所:NTT東日本)
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VDSLはADSLと異なり当面安泰

 ADSLは、保守部材の枯渇などが理由で2023~2024年にサービスが終了することになった。では、同じDSL技術に分類されるVDSLは今後どうなっていくのだろうか。

 VDSLを選べるのは、集合住宅向けFTTHサービスで最大伝送速度が100Mビット/秒のメニューである。200Mビット/秒、1Gビット/秒など、より高速なメニューは、集合住宅の各戸まで光ファイバーが直接届いていないと加入できない。

NTT東日本が提供する集合住宅向けFTTHサービスの配線について説明したWebページ
(出所:NTT東日本)
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 VDSLを使用中のFTTHユーザーは相当数いると考えられる。例えばNTT東日本の場合、フレッツ光の契約数は約1200万。このうち約200万、つまり6分の1程度がVDSLを使っているという。

 もっとも、機器や装置の維持という点で、VDSLは現状、安泰だ。NTT東日本第一部門ネットワークサービス担当の福島浩平担当課長は、「VDSLの装置をメーカーから購入できなくなっているわけではなく、保守部材も供給されているので当面提供できると見ている」と説明する。

 とはいえ、DSLは長期間使われている技術なので、「VDSLについてもおいおいADSLと同じような話が出てくるかもしれない」(福島担当課長)と指摘する。いずれは光ファイバーに替えなくてはならないと、考えておくべきだろう。

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