マツダの中型セダン・ハッチバック車の「マツダ3」は、新プラットフォーム(PF)「スモール」に基づいて開発した次世代ボディーを初めて適用した(図1)。

図1 次世代ボディーを初適用した「マツダ3」
(出所:マツダ)
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 引っ張り強さが980MPa級以上の超高張力鋼板をボディー骨格に多用した他、骨格の構造を刷新した。これらの対策によって、ボディー骨格の質量増加を抑えながら、衝突安全に対応した。

 新型車のボディー骨格全体に対する超高張力鋼板の使用比率(質量比)は31%。その内訳は1.5GPa級のホットスタンプ(熱間プレス材)が6%、1.3GPa級の冷間プレス材が5%、1.2GPa級の冷間プレス材が12%、980MPa級の冷間プレス材が8%である。

 先代車(アクセラ)の場合、超高張力鋼板の使用比率は9%(1.5GPa級のホットスタンプが6%、980MPa級が3%)だった。新型車は超高張力鋼板の使用比率を、先代車の3倍超に増やした。

 また、先代車では使っていなかった1.3GPa級と1.2GPa級を初めて使用した。「1.3GPa級の冷間プレス材をボディー骨格に使うのは世界で初めて」(同社)という(図2)。

図2 新型車と先代車の高張力鋼板の使用比率
(出所:マツダ)
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 軽量化と衝突安全に対応するための次世代ボディー設計の考え方は、前方衝突と側面衝突、後方衝突で異なる。前方衝突ではフロントフレームを緩やかにつぶし、衝撃エネルギーの吸収効率を高めた。

 側面衝突では、乗員室を変形させないように、骨格に高強度の高張力鋼板を多用した。さらに、ロードパスを改良して、衝撃エネルギーを効率的に逃がせるようにした。

 後方衝突では、リアフレームを速く変形させて、衝撃エネルギーを効率良く吸収するようにした。具体的には、リアフレームを蛇腹のように変形させる。先代車では、リアフレームを折るように変形させていた。蛇腹のように速く変形させることで、エネルギー吸収量は先代車の2倍に向上した。

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