ドイツ・バイエル(Bayer)の日本法人であるバイエル薬品は、ITやデジタル技術などの先端技術を活用したベンチャー企業を支援するオープンイノベーションプロジェクト「G4A(ジー・フォー・エー)」を2016年から実施しており、その成果を社内で実用化する例が出始めてきた。オープンイノベーションで異分野のベンチャー企業と組む際の課題や、注目している技術などについて、バイエル薬品オープンイノベーションセンターセンター長の高橋俊一氏と同シニアデジタルアライアンスマネジャーの菊池紀広氏に聞いた。

2016年にG4Aのプロジェクトを開始した背景を教えてください。

(高橋氏)当時はまだ製薬業界全体が、ITやデジタルをどのように活用したらよいか分かっていない状況でした。もちろん我々もITやデジタル分野は全くの素人でした。ITやデジタル分野などの最先端の技術が、「製薬企業の研究開発や業務にどのように役立つのか検証してみよう」「どのような価値が生まれそうか可能性を見てみよう」ということで、他社に先駆けてオープンイノベーションの取り組みを始めました。

バイエル薬品オープンイノベーションセンターセンター長の高橋俊一氏
(写真:加藤康)

 開始した当初の主な目的は、技術を持つ企業とのネットワークを広げることでした。例えば、宇宙技術関連のベンチャーがプログラムの説明会に参加してくれましたが、そうしたベンチャーとは、こういう機会でなければ出会いません。普段会わない企業と話す機会を持てることは素晴らしいことだと思っています。新しいアイデアは、こういった異分野の交流から生まれると思うからです。ここ2年ほどプログラムを続けてきて、我々も変わってきました。

どう変わりましたか?

(菊池氏)「バイエル薬品はデジタル分野に積極的だ」という認知度が上がり、多くの企業との関わりを持てるようになってきました。我々自身の知識も増えてきたし、ネットワークも広がってきたのです。そのため、プログラムを発展させることにしました。名称も2018年から、「G4A Tokyo Dealmaker(ディールメーカー)」に変わりました。

バイエル薬品オープンイノベーションセンターシニアデジタルアライアンスマネジャーの菊池紀広氏
(写真:加藤康)

 これまでのG4Aは、課題に沿った技術を応募し、評価が高かったものに対してバイエルが助成金を支援するものが中心。2018年のディールメーカーからは、バイエルが直面する課題を解決する技術を募集し、バイエルと協業して一緒にカスタマイズし、事業化を目指す内容に改めました。

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