高知県は富士通と組み、ビニールハウスで育てるナスやキュウリといった農作物の3週間後までの収穫量を気象データからAI(人工知能)で予測するシステムを開発、2019年3月に運用を始めた。

ナスなどの収穫量を予測する高知県の取り組み
(写真出所:高知県)
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 「2~3週間後の出荷量を予測できないと、近年増えているスーパーなど量販店の大口取引を有利な条件で進められない」。農業振興部農業イノベーション推進課の新田益男チーフ(先端技術開発担当)は話す。

 農家の農作物を委託販売する高知県園芸農業協同組合連合会に対し、高知県がシステムで収穫量予測を支援する。高知県は東京に近い群馬県などに比べて、大都市への販路について地理的な不利がある。農作物の品質向上に加えて、出荷量を高精度に予測する仕組みが重要になるわけだ。

 「農作物は収穫量が多ければ多いほど良いというものでもない」と新田チーフは話す。事前の出荷量の申告より多く収穫できても、安く買い取られてしまうからだ。「3週間後の出荷量がこれくらい増えそうだ」と予測できれば、他の量販店などの市場に適正な価格で収穫物を回すことができ、収益を最大化できる。

 気象庁のWebサイトから1日1回、高知県各所における過去数日分の最高・最低気温や日照時間、降水量、1週間先までの天気予報などのデータを取得。過去の農作物の出荷データ、長さや太さ、曲がり具合などの品質データも収集する。次にベンチャーのNextremer(ネクストリーマー)が開発したAIを使って、ナスやキュウリなどの収穫量を予測する。

 現在は気象庁のアメダスのデータを使っているため観測地点が限られているが、今後は環境測定装置を導入した各ビニールハウスから温度や湿度・二酸化炭素濃度、日射量をきめ細かく測定し、精度を高める計画だ。

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