どのテレビCMを流すのか、天気を基に決める――。電通は視聴者の購買行動を促すテレビCMを決めるために、1日先から7日先までの全番組の視聴率を性別や年代などターゲット層ごとにAIで予測するシステム「SHAREST」(シェアレスト)に気象データを活用している。

ターゲット層ごとの視聴率を予測する電通の取り組み
(写真:Getty Images)
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 これまでも過去1年分の全番組の視聴率データや前後の番組、同時刻に放送されている他局の番組情報、出演するタレントなどを基に予測モデルを構築していたが、2019年3月から気象データも学習データに加えた。「全てのターゲット層において、より高い精度で視聴率を予測できるようになった」とスポット業務推進部の岸本渉シニア・プロデューサーは話す。

 一般的なスポットCMは1本あたり15秒だ。広告主は3営業日前までに、流すCMを決定する必要がある。「将来の視聴率を正確に予測して最適なCMを選ぶことで、広告の効果を高めることができる」と岸本シニア・プロデューサーは話す。

 例えば大手消費財メーカーであれば、若い女性向けや主婦向けの化粧品ブランド、男性向けのひげそり用ジェルなど複数のCM素材を持っている。番組ごとに複数本のCM枠を持つ広告主に対して、広告企業は広告効果の高いCMを提案する必要がある。

 WebサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)向け広告など効果を測定しやすいデジタル広告が増える中で、「テレビCMについても効果を厳しくみる広告主が増えてきた」と岸本シニア・プロデューサーは明かす。

 例えば20歳から34歳の男性(M1)の視聴率を10%、20歳から34歳の女性(F1)を5%と予測してM1向けのCMを流したところ、予測が外れ、実際はM1が5%、F1が15%だった場合、広告主から「女性向けのCMを流した方がよかったのではないか。そうすればCMの効果は3倍だった」と厳しく指摘されることもあるという。

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