クルマの価値が外観デザインやパワートレーンから、内装やHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)にシフトしてきた。背景にあるのは、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の潮流。クルマを自ら運転せず、車室内で自由に過ごせるようになると、内装やHMIはこれまで以上に重要になる。クルマづくりを抜本的に見直し、内装やHMIによる新しいユーザー体験を模索する動きが出てきた。

 クルマ開発の常識を捨て、ゼロから理想を追求する――。電気自動車(EV)ベンチャーの米テスラ(Tesla)や中国バイトン(Byton)が手がけるクルマの内装は、驚くほどシンプルだ(図1)。機械的なスイッチ類を大幅に減らし、シートとタッチスクリーンが置いてあるだけである。しかし、機能は多い。OTA(Over The Air)によって車載ソフトウエアを更新すれば、自動運転などさまざまな機能を追加できる。

図1 最新EVの内装
(a)テスラのEV「モデル3」の内装。(b)バイトンのEV「M-Byte」の内装。いずれもディスプレーに機能を集約し、シンプルなデザインを実現している。(写真:(a)はテスラ、(b)はバイトン)
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 テスラの理念は「持続可能性を追求すること」(同社)だという。排ガスを出さないEVであり、一度ハードウエアを購入すれば、OTAによってシステムを最新の状態に保てる。自動運転によって事故や渋滞も減らせる。その理念に基づいて設計された内装やHMIは、ソフトウエアを重視した結果、スマートフォンのユーザーインターフェースに近くなった。普段スマホを使い慣れているユーザーからすれば、違和感はない。

 バイトンが2019年末までに量産を始めるSUV(多目的スポーツ車)「M Byte」の内装も、テスラに近い。ダッシュボードに幅48インチの曲面ディスプレーを搭載する。車室内をリビングの延長と捉え、「クルマをモバイル・デジタル・ラウンジにする」(同社)と意気込む。大画面のディスプレーのほか、運転席と助手席のシートが内側に回転する機構を設け、会話のしやすい環境を作る。

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