本記事は、日経エレクトロニクスの過去記事を再掲載したものです。社名や肩書きは執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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 アーケードゲーム機事業の不振を打破するため、当時ナムコにいた小山たち開発メンバーは、大人気ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」を新型ゲーム機の題材に選び出す。これがバンダイナムコゲームス(当時、現・バンダイナムコエンターテインメント)の大人気体感ゲーム機「機動戦士ガンダム 戦場の絆(きずな)」(以下、戦場の絆)の始まりだった。

「機動戦士ガンダム 戦場の絆」の大型筐体「P.O.D」に映ったゲーム画面
ユーザーは楕円形スクリーンに投影された映像を見ながらモビルスーツ(MS)を操作する。(写真:吉田 明弘)(c)創通・サンライズ
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P.O.Dと、ゲームデータを専用カードに記録する「ターミナル機」
(写真:吉田 明弘)(c)創通・サンライズ
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 「ユーザーが本当に求めるゲーム機を作りたい。良いゲームを作ることで良い組織も育てたい。題材はガンダム。興味ない?」

 今から6年ほど前のある日、東京都内の居酒屋に呼び出された高橋雄二(バンダイナムコゲームス AMクリエイター部 ゲームデザイン課 アシスタントマネージャー プロデューサー)は、あいさつもそこそこにこう切り出された。口説いたのは当時、ナムコのアーケードゲーム部門の商品企画担当者だった小山順一朗(バンダイナムコゲームス AM第2プロダクション ゼネラルマネージャー)である。小山は、不況に苦しむアーケードゲーム部門を立て直すために「ユーザーニーズをとことん満たすアーケード機を作る」と決意し、その題材として人気アニメ「機動戦士ガンダム」をひそかに選んでいた。

 小山の計画は、後に大人気を博するアーケード機「機動戦士ガンダム 戦場の絆(きずな)」(以下、戦場の絆)として結実する。だが、当時の小山はメンバー集めから始める必要があった。

 競合大手に勤務していた高橋だったが、小山とは面識があった。いきなりの申し出に面食らったものの、仕事人としての方向性に大きな悩みを抱えていた彼にとって、小山の言葉はその答えのような気がした。

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