重さ100キロの豚の体重測定に、数万羽の鶏から死骸を仕分ける作業。動物を相手にする畜産農家の毎日は重労働の連続だ。瞬時に見分けるAI(人工知能)が、農家の頼もしい助っ人になる。日経コンピュータ2018年10月25日号特集「畜産テック AIとIoTで激変する牧場経営」に最新情報を加え再編集しました。

 「熟練者の目勘(めかん)を再現できないか」。2年前の2017年2月、伊藤忠飼料の情報システム開発チーム長代行兼飼料営業チームの福永和弘氏はNTTテクノクロスに問い合わせた。「目勘」とは養豚業界の用語で、豚の見た目から体重を推定する技術を指す。熟練者の推定誤差はなんと3キログラム以内という。

 誰でも簡単に目勘ができるよう、両社が共同開発したシステムが「デジタル目勘」だ。カメラと深度センサーを備えた専用端末で豚を上から撮影すると、体重のほか頭や内臓を取り除いた枝肉の重さを瞬時に推定、表示する。「これまでの画像解析のノウハウが生かせた」とNTTテクノクロスの冨田清次IoTイノベーション事業部統括マネージャは話す。実測値との誤差は現在5%ほど。3%まで改良したうえで2019年中の製品化を目指す。

デジタル目勘(右)で豚の画像を撮影
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体重の推定結果
「デジタル目勘」で豚の体重を推定する仕組み。熟練者並みの目利きをAIで再現する (画像提供:NTTテクノクロス)
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