「先方への依頼事項はこれでいいですか?」「納期はいつと回答したらよいでしょうか?」――。こんな具合に部下が判断を求めてくるメールがある。

 「はい、これで進めてください」のようにすぐ返答できるケースはそう多くない。往々にして判断材料が足りず、すぐには回答できないものだ。

 今回は、判断を求めているがそのための材料が足りていない「判断材料不足メール」を取り上げる。実例を参考に筆者が作成した具体例を示そう。

 下記はあるシステムインテグレーターのセールスエンジニア小林さん(仮称)がマネージャーの日置さん(同)に送ったメールだ。9月3日に開く顧客企業Aとの打ち合わせへの参加者について、日置さんに相談している。

判断材料が不足しているメールの例
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 小林さんはメールの序盤で「わざわざ日置さんに参加していただかなくても、妹尾さんと中村さんと私の3人でよいと思っています」としているが、なぜ日置さんの参加が不要なのかという理由は書いていない。これでは日置さんは自分が参加しなくてよいのかどうかを判断できないだろう。

 続けて「あるいは、日置さんも参加されるということでも私は構いません」としている。小林さんとしては日置さんに気を使って、参加してほしくないという意図は無いことを伝えたかったのかもしれない。しかし日置さんは小林さんの意図がぶれているように感じて「一体何が言いたいんだ」と業を煮やすかもしれない。

 極め付きは「そういう方向で進めてよろしいでしょうか」と曖昧な表現を使っていることだ。「そういう方向」が何を意味するのかが判然としない。

 改善したメールを下記に示す。

判断材料を補い整理したメールの例
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 「まずはAIで実現したいことや予算、時期についてヒアリングします。その時点では日置さんに出席いただかなくてよいと思います」と打ち合わせの議題を示し、これを理由として明確に日置さんを除く3人で参加することの承認を求めている。この内容があれば、日置さんは自分も参加するかどうかを判断しやすい。イライラすることもないだろう。

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