2画面の活用方法に変化

 2画面ディスプレーを搭載したスマートフォンと言えば、日本でも既にNTTドコモが「MEDIAS W」や「M」として既に製品化しているものの、大きな成功を上げたとは言い難い。にもかかわらず、現在もなお2画面ディスプレーを積極的に推進するメーカーが増えているのはなぜだろうか。

 その理由の1つとなるのは、スマートフォンでもより大きな画面を利用したいというニーズが年々高まっていることであろう。Galaxy Foldなどもそうしたニーズに応えるべく生まれたものと言える。ただ、1枚のディスプレーを折り畳める機構の実現には技術やコスト面で高いハードルがあることから、より現実的な形で実現するべく、2つの画面を活用する取り組みが増えたと言える。

 だが最近登場した2画面スマートフォンを見ると、その活用方法には変化が出てきている。それは従来のように、2枚のディスプレーを一体として利用することよりもむしろ、個々のディスプレーで別々のアプリを動かしたり、別々の内容を表示したりする使い方を重視していることだ。

 2枚の画面をつなぎ合わせるとどうしても継ぎ目が発生してしまうことから、見た目の美しさという点ではGalaxy Foldのような機構にかなわない。なのであれば、iPadOSのSplit View機能やAndroidのマルチウィンドウ機能などのように、アプリの画面を2つに分けて別々に活用することに力を注いだほうが利用者へのアピールにつながると考えた結果、そうした傾向に至ったと言えそうだ。

ZTE(中興通訊)の2画面スマートフォン「AXON M」。2枚のディスプレーを1画面として活用できるが、構造上どうしても継ぎ目が発生してしまう。写真は2018年2月26日、「Mobile World Congress 2018」にて筆者撮影
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 Galaxy Foldのような端末は当面かなり高額で、提供できるメーカーも少ないことが予想される。それゆえ折り畳みタイプのスマートフォンの利用を拡大していくためには、「最初から2画面」「後付けで2画面」のどちらの形であっても、2画面スマートフォンの数が増えることが現実的には重要な意味を持ってくる。それだけに2画面スマートフォンが今後どのくらい増えていくのかが、スマートフォンの端末形状の変化を見据えるうえで重要な動きであることに間違いないだろう。

佐野 正弘(さの まさひろ)
フリーライター
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手掛けた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手掛ける。