電気通信事業法が改正される2019年10月を控え、楽天モバイルの料金プランを見極めたうえで新たな料金施策を打ち出すとした携帯大手3社。楽天モバイルが小規模な形でサービスを開始するとしたことで、大手3社は同社の戦略を見極められず思惑が外れた格好となった。一方、その楽天モバイルのインフラ整備に遅れが生じているとの報道が出るなど、順調ではない様子を見せている。10月以降の携帯電話業界の競争環境はどうなっていくのだろうか。

楽天モバイルの料金プランを見極めたい携帯3社

 2019年7月から8月までにかけて、携帯電話大手3社が第1四半期決算を発表。分離プランを採用した新料金プランを導入したNTTドコモが減収減益、それに対抗して新料金プランを打ち出したKDDIも増収減益となった一方、対抗策を打ち出していないソフトバンクは増収増益となり、久しぶりに3社の明暗が分かれる決算となった。

 減益となってでも2社が新料金プラン導入など様々な施策を打ち出したのは、2019年10月に向けた対策でもある。同月には競争促進のため、分離プランの導入義務化などを定めた電気通信事業法の改正が予定されているほか、楽天モバイルが携帯電話事業者として新規参入を予定しており、料金競争が加速すると見られているからだ。

 だが電気通信事業法の改正に関しては、2019年6月に総務省が公表した「モバイル市場の競争促進に向けた制度整備(案)」がそのまま施行された場合、「いわゆる“2年縛り”の違約金上限が1000円になる」「通信契約にひも付かない端末代の値引き上限が2万円に制限される」など、分離プラン以外にも多くの規制が導入される可能性がある。また楽天モバイルに関しても、まだ具体的なサービスや料金プランが発表されておらず、どのような戦略を打ち出してくるのか見極められない状況だ。

 そうした状況を受けて、携帯3社の決算説明会では2019年10月に向けた対応について言及する場面が見られた。そして3社とも共通していたのが、楽天モバイルの料金プランを見極めたうえで、新たな料金施策を打ち出すということであった。

 例えばソフトバンクは、まだワイモバイルの料金プランに分離プランを導入していないが、2019年8月5日に実施された2020年3月期第1四半期決算説明会でソフトバンクの代表取締役社長執行役員兼CEOである宮内謙氏は「楽天モバイルの料金を見ながらやっていく」と回答。楽天モバイルの料金を見据えたうえで、その対抗策としてワイモバイルの新料金を打ち出す考えを示していた。

ソフトバンクはワイモバイルの分離プラン導入を2019年度上半期中に実施するとしていたが、2019年8月5日の2020年3月期第1四半期決算説明会で宮内氏は、楽天モバイルの料金を見極めた後に発表するとの考えを示していた。写真は2019年2月5日のソフトバンク2019年3月期第3四半期決算説明会より(筆者撮影)
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