総務省が携帯電話事業者に電波の割り当てを実施するなど、2020年の商用サービス開始に向けた準備が進みつつある「5G(第5世代移動通信システム)」。だが海外では2019年に5G商用化が相次いでおり、日本の5Gに対する取り組みが「遅れている」という声が少なからず上がっている。こうした状況に日本、そして国内の携帯電話事業者はどう向き合うのだろうか。

国内の5G周波数割り当てが完了

 ここ最近急速に盛り上がりを見せているのが、次世代のモバイル通信規格の5Gだ。日本では2020年の商用サービス開始を予定しているが、それに先立つ形で、総務省はサービス開始に必要な5G用の周波数帯域の割り当てを2019年4月10日に実施している。

 その内容を見ると、NTTドコモが3.7GHz帯と4.5GHz帯を1枠(100MHz幅)ずつ、KDDI/沖縄セルラー電話(以下、KDDI)が3.7GHz帯を2枠、ソフトバンクと2019年10月の新規参入を予定している楽天モバイルが、それぞれ3.7GHz帯を1枠ずつ割り当てられることとなった。また周波数は高いが1枠当たりの割り当て幅が400MHzとより広い28GHz帯に関しては、4社に1枠ずつ割り当てられた。

総務省「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定」概要より。3.7G/4.5GHz帯はNTTドコモとKDDIが2枠、ソフトバンクと楽天モバイルが1枠ずつの割り当てとなった
(出所:総務省)
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 免許割り当てに差が付いたのには、各社の申請内容のうち、主にエリア展開とMVNO(仮想移動体通信事業者)の利用促進に関する評価が影響しているようだ。総務省は5Gの免許割り当てに関して、少子高齢化などで多くの社会課題を抱えている地方でのエリアカバーを重視する方針を示していることから、5年以内の5G基盤展開率で9割以上を達成すると申請した2社が優位となり、より多くの周波数帯域を獲得できたといえる。

 もっとも、5Gは帯域幅が広いほど有利になる高速大容量だけでなく、ネットワーク遅延が少ない「低遅延」や、多数の機器を同時に接続できる「多接続」といった特徴も持つ。それ故従来のスマートフォンだけに限らない、より広い分野で利用されると見られており、必ずしも帯域幅だけで勝負が決まるわけではない。

 特にソフトバンクは、将来的に既存の4Gで使用している帯域を5Gに転用することで広範囲をカバーする考えを持っているようで、NTTドコモやKDDIとは異なる戦略を採るようだ。各社がいかにして5Gのエリアを構築して差を付けていくかは、今後のキャリア間の競争を見据える上で注目されるところである。