本記事は、日経エレクトロニクスの過去記事を再掲載したものです。

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 一枚板のようなスマートフォン──。1人のデザイナーが思い描いた製品の企画がついに始動した。ところが、風変わりな素材や構造に懸念の声が噴出する。デザインの後を継いだ設計も苦労の連続に見舞われた。

 「発売時点で最高性能のプロセッサーとLTEに対応したモデム、最新のOS、最先端の撮像素子を使え。もちろん、デザインにも妥協するな」

Xperia Zの商品企画を担当した柏原学氏
(写真:加藤 康)
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 「Xperia Z」の商品企画を担当する柏原学にXperiaシリーズ全体を統括する黒住吉郎が与えた指示は、漠然として捉えどころがなかった。柏原は競合他社の動向やプロセッサーメーカー、液晶パネルメーカー、ソニーの撮像コンポーネント部門などからの情報をかき集め、仕様を1つずつ決めていった。2012年1月ごろのことだ。

 液晶パネルの大きさは、5型に決めた。当初の打ち合わせでも5型前後と決まってはいたが、厳密に決めなければならない。デバイスの担当者に相談すると、5型で1080p(1920×1080画素)なら精細度は443ppiになり、発売予定の2013年2月時点で利用可能な技術としてちょうどいいという。

 外観は一枚板のデザイン以外に考えられない。商品企画から正式な依頼が舞い込んだデザイン部門では、最終製品を想定した意匠設計に取り掛かった。担当は、もちろん発案者である日比啓太だ。1週間程度で早くもデザインは固まった。

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