「勘弁してくれ」――。2019年2月、大林組の27歳男性社員が就職活動で訪れた大学生に対してわいせつ行為を働いたとして逮捕されたニュースを見て、ある大手建設会社の採用担当者は頭を抱えた。

 20年卒の採用活動が本格化する3月1日を目前に控えたタイミングで発覚した最大手の建設会社社員による不祥事。後に不起訴と決まったものの、世間から見た業界のイメージの悪化は計り知れない。直後には、週刊誌が大林組の別の男性社員による女性への不適切行為を報じて追い打ちをかけた。

 「採用への影響が一番大きいのは、我々クラスの建設会社だろう」。先の採用担当者はこう嘆く。会社の知名度が高い最大手と比べ、業界へのイメージが採用実績を左右しやすいという。

 別の建設会社の採用担当者は、学生を面接する段階から業界や会社に対する親の心証を気にすると明かす。「複数の内定を持つ学生が最終的に就職先を決める場面では、親の意見が決め手になるケースが多い」

 人手不足が深刻になるなか、担い手確保の重要性は、業界の共通認識となっている。では、あなた個人の考えはどうか。例えば、あなたに学生の子どもがいて、就職先の相談を受けたとする。「建設業界で働こうと思う」。こう言われた時、あなたは何と答えるだろうか。

 日経 xTECHと日経コンストラクションが実施した意識調査(調査概要は記事末尾)では、若者に建設業界への就職を熱心に勧める人はかなり少ないという実情が明らかになった。「身近な若者や自分の子どもに、建設業界への就職を勧めたいと思うか」という問いに対し、一般の人で「非常にそう思う」と回答したのはわずか1%だ。「ややそう思う」と合わせても12%にとどまった。

Q 身近な若者や自分の子どもに、建設業界への就職を勧めるか
一般の回答者。「全くそう思わない」または「あまりそう思わない」と答えた人は44%だった(資料:日経 xTECH)
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