2018年5月に、米連邦最高裁判所がスポーツを対象とした賭博の解禁を認める判断を下したことをご存知だろうか。米国では1992年に連邦法である「プロ・アマスポーツ保護法(PASPA)」が制定され、その時点でスポーツ賭博を法整備していたネバダ州、モンタナ州など4州を除く全ての州では違法とされた。こうして長きに渡って、ラスベガスを筆頭にカジノ産業が盛んなネバダ州でのみスポーツ賭博が行われてきたのである。これが事実上、全51州でスポーツ賭博を行うことが可能になったのだ。

ラスベガスで有名なベラージオホテルの噴水ショー(背景は別のホテル)。ベラージオを経営するのは、米IR(統合型リゾート)大手でスポーツ賭博事業も運営するMGMリゾーツ。同社は米メジャーリーグやNBAなどと提携している
(写真:日経 xTECH)
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 最高裁の判断から1年が経過した現在、ネバダ州以外にペンシルバニア州、ニュージャージー州など8つの州で、スポーツ賭博が既に解禁されている。さらに35の州で解禁に向けた動きが出ている。こうした動きに対し、さまざまな企業が“新たな成長分野”への参入を図っているが、なかでも目立つのがテクノロジー関連の業種である。

 例えばスイスに拠点を置き、スポーツ賭博の実施に不可欠なさまざまなデータを配信するSportrader(スポートレーダー)は、ここ数カ月で米プロ野球のメジャーリーグ(MLB)やプロバスケットボールのNBA、プロアイスホッケーのNHLやカーレースのNASCAR、メディアのFox(フォックス)スポーツなどとパートナーシップ契約を結んでいる。

 フォックス本体もカナダ・トロントに拠点を置くゲーム大手Stars Group(スターズグループ)の株式の約5%を2億3600万ドルで取得し、両社は今年、オンライン賭博ビジネスを目的としたFoxベットを設立すると発表した。2つの事業を立ち上げる。1つは無料でプレーでき、試合の予想に対して賞金や賞品を出すゲーム。もう1つが、オンラインでのスポーツ賭博である。

スポーツ賭博の実施に不可欠なさまざまなデータを配信するスイスのスポートレーダーとMLBの提携に関するプレスリリース
(図:Sportrader)
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