日本代表チームの活躍と各クラブの努力によって、「勝負の年」と目されていた3シーズン目も堅実な成長を続けたBリーグ。4年目となる2019-2020シーズンは、開幕前にFIBA(国際バスケットボール連盟)ワールドカップが開催され、閉幕後には東京オリンピックが開催される日程とあって、さらなる盛り上がりが予想されている。飛躍が期待される年を迎えるに当たって、Bリーグはどのような施策を検討しているのだろうか。B.MARKETINGのプロモーショングループ・シニアマネージャーの増田匡彦氏へのインタビュー後編から、その思惑を探る。(聞き手:上野直彦=スポーツジャーナリスト、久我智也)
(取材日:2019年7月4日)

権益の一本化で収益アップを期待

代表チームの活躍や、平日開催が増加した中でも総入場者数が堅実に増えた3シーズン目でしたが、その他に変化したことはありますか。

増田 内向きの話になりますが、バスケットボール界として非常に大きかったのは、Bリーグと日本バスケットボール協会(JBA)のプロモーション機能を一本化したことです。これまでは組織が分かれていたので広報やプロモーション活動は別々でした。

 もちろん、お互いに協力はし合っていましたが、本当の意味で自分ごととして捉えられていませんでした。しかし、男女代表や天皇杯、皇后杯といった、協会管轄だった領域のプロモーションをBリーグにやってもらいたいという申し出を受け、Bリーグで統括することになったのです。

 そうすると、代表戦間近になったらBリーグの試合でも代表戦を盛り上げる施策を考えられるようになりましたし、その逆も然(しか)りとなりました。メディアからも好評で、コミュニケーションが円滑になりましたし、新たなノウハウの獲得にもつながりました。以前の形と数字での比較はできませんが、確実に露出も増えたと感じています。

 この決断はJBAの三屋裕子会長が下したものですが、現在はプロモーション機能だけではなく、組織全体の改編にも取り組んでいるところです。

具体的にはどのように組織改編をしているのでしょうか。

増田 JBAとBリーグは、2016年にB.MARKETING(ビーマーケティング)という株式会社を設立しました。JBAとBリーグが持つ権益を統括的に管理し、営業、プロモーション、商品化などを行っていく会社なのですが、先ほどの広報・プロモーションを含め、今年から様々な事業をB.MARKETINGが包括的に実施していくことになりました。

 正式には2019年7月1日からなので、まだ慣れていない部分はありますが、事業系の部署が統一されるととてもやりやすいですし、施策の効果も高められるんです。

 例えばBリーグはソフトバンクに多大なご支援をいただいていますが、仮にソフトバンクの競合他社が代表チームのスポンサーになっていた場合、お互いにプロモーションやマーケティング活動がしづらくなりますが、スポンサー管理も一本化すればそうした事態を避けられます。また、リーグと代表戦をそれぞれ単品でプロモーションしていくよりも、両者をセットでアピールしていったほうが相乗効果を期待できますし、収益の向上も望めます。社団法人や公益財団法人ではやりづらかったことが、この株式会社を設立したことでできるようになり、1+1を3にも4にもできるようになっていると考えています。

B.MARKETING株式会社 プロモーショングループ・シニアマネージャーの増田匡彦氏。民間企業でのSEを経て2009年に日本バスケットボールリーグに入社。広報業務や事業運営、競技運営に携わる。2015年より公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグに入社。競技運営、強化育成、プロモーション業務の責任者を経て、2019年7月からは公益財団法人日本バスケットボール協会とBリーグによって設立されたB.MARKETING(ビーマーケティング)に移り、広報・プロモーションの責任者として活躍している
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