21年ぶりに自力でのワールドカップ出場を決めた日本男子代表チームや、NBAドラフトでワシントン・ウィザーズから一巡目指名を受けた八村塁選手の登場など、空前の追い風が吹いている日本バスケットボール界。その土台を支えているのは言わずもがなBリーグである。3年目を終え、4年目の開幕を目前に控えたBリーグは、自分たちの現在地をどのように捉え、どのような未来を見据えているのだろうか。日本バスケットボール協会とBリーグの両方の事業を扱うB.MARKETINGのプロモーショングループ・シニアマネージャーの増田匡彦氏へのインタビューを2回に分けてお届けする。(聞き手:上野直彦=スポーツジャーナリスト、久我智也)
(取材日:2019年7月4日)

日本バスケットボールの「両輪」が上手く回り始めた

「勝負の3年目」とも目されていた2018-2019シーズンを終えて少し日がたちましたが、Bリーグとしては3年目のシーズンをどのように評価されているのでしょうか。

増田 結論から言うと、2016年にBリーグがスタートしてから3年間の集大成と言えるシーズンになったと評価しています。

 日本でバスケットボールを盛り上げるためにはリーグと代表チーム、どちらかひとつだけではなく両方とも盛り上がっていなければならないと考えています。最初の2シーズンはBリーグが大いに盛り上がり、そして3シーズン目には男子日本代表がワールドカップで出場権を獲得するなど、成績を残してくれた。ついにバスケットボール界の両輪が上手(うま)く回り始めた年だったと言えるでしょう。

 常々バスケットボールが“来ている”雰囲気はありましたし、企業やメディア、友人知人など、色々な人から「バスケットボールは面白いね」と言ってもらう機会が増えていました。しかしBリーグの認知度は創設当初と比べて上がっているわけではありませんし、開幕前のワールドカップ予選で代表チームの調子も良くなかったので、正直不安はありました。

それでも2018年には渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ)が日本人2人目のNBAプレーヤーとなり、シーズン終了後には八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)がNBAドラフトで一巡目指名をされました。国内でも富樫勇樹選手(千葉ジェッツふなばし)がBリーグ日本人初の1億円プレーヤーになるなど、個々の選手に注目が集まる機会が多くありました。

増田 やはり有名な選手がいるのはとても大事なことだと捉えています。定性的な話になってしまいますが、我々としては、日常会話の中に名前が出てくるような選手が3人は欲しいと常々思っていました。例えばBリーグで田臥勇太選手(宇都宮ブレックス)の認知度は30%ほどで、これくらいの数字までいくとバスケットボールに詳しくなくても知っている人が出てくるんです。Bリーグの広報・プロモーション責任者として、そのような選手の育成をひとつのKPI(重要業績評価指標)にしていました。

 その意味では、先ほど挙げられた以外にも、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)や馬場雄大選手(アルバルク東京)などもNBAサマーリーグに挑戦しましたし、篠山竜青選手(川崎ブレイブサンダース)のようにプレーだけではなくキャラクターから人気が集まる選手も出てきたシーズンだったと言えます。ただ、個々の選手の注目度が上がったのは彼ら自身の努力によるものなので、その点はありがたくはありますが、プロモーションチームとしてはまだまだやれることはあったと反省しています。

B.MARKETING株式会社 プロモーショングループ・シニアマネージャーの増田匡彦氏。民間企業でのSEを経て2009年に日本バスケットボールリーグに入社。広報業務や事業運営、競技運営に携わる。2015年より公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグに入社。競技運営、強化育成、プロモーション業務の責任者を経て、2019年7月からは公益財団法人日本バスケットボール協会とBリーグによって設立されたB.MARKETING(ビーマーケティング)に移り、バスケット界全体の広報・プロモーションの責任者として活躍している
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