瞬間最高視聴率が50%を超えるなど、空前の盛り上がりを見せた「ラグビーワールドカップ2019日本大会」。その舞台裏では、さまざまな先端テクノロジーが導入された。「2019年国際放送機器展(Inter BEE 2019)」では「スポーツ映像制作の最新技術」と題したパネルディスカッションが開かれ、NHKが8Kカメラを使った最新の映像制作について、キヤノンが「自由視点映像」の制作について紹介した。

 NHKは2012年から、スポーツ中継に8Kカメラを導入している。当時から8K映像の制作に携わっている、NHK 放送技術局報道技術センター中継部の齋(いつき)哲也氏は、過去の大会からの制作体制の進化を見せた。「8K機材がどんどん進化したことによって、サッカーやラグビーなど大きなフィールドの競技の撮影の仕方がかなり変わっている」(同氏)。例えば、2014年のサッカーW杯ブラジル大会では、8Kカメラ3台、4Kカメラ2台の5台体制だった。8Kカメラのズーム倍率は10~11倍だった。

2014年のサッカーW杯ブラジル大会でのNHKの試合中継カメラの体制
(図:NHK)
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 一方、今年のラグビーワールドカップ「日本代表対アイルランド代表戦」では、8Kカメラ5台、4Kカメラ4台の9台体制を敷いた。8Kカメラのうち4台は、キヤノンが開発した広角端15.5mmから望遠端790mmの焦点距離に対応した、世界最高の51倍ズームを実現した放送用フィールドズームレンズを採用した。さらに、そのうちの1台は、圧縮技術とSSD並列化技術によって記録装置を高速化し、4倍速の8K映像をリアルタイムに記録しながら同時に60Hzでスローモーション再生ができるという。

2019年のラグビーワールドカップ2019日本大会での試合中継カメラの体制
(図:NHK)
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 「8Kは当初、パブリックビューイングなど超大画面に向けて“引き”の映像を撮るのが中心と思われていたが、70~80型の8Kテレビが登場して以降、高倍率レンズを使った映像の需要が高まっている」と同氏は語った。

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