今年も日本の夏の風物詩「全国高校野球選手権大会(第101回)」が2019年8月6日に開幕した。予選大会で世間の耳目を集めたのが、高校生史上最速とされる時速163kmをマークした岩手県立大船渡高校の佐々木朗希投手が、岩手県大会決勝で登板を回避して同校が敗退したことだ。この登板回避の決断を巡って賛否両論が巻き起こったのである。

 投手の投球過多などによる肘の故障リスクは、長らく野球界で大きな問題になっている。実際、肘を故障した多くの選手がトミー・ジョン手術(側副靭帯再建)を受けている。例えば、トッププロでは米国のメジャーリーグ(MLB)で活躍する、ダルビッシュ有選手が2015年、大谷翔平選手が2018年にそれぞれ同手術を受けたのは記憶に新しい。高校生以下のアマ選手でも同手術を受ける例は少なくないという。

 MLBでは投手が1試合当たりに投げる球数を100球以下に制限する対策が一般化しているが、実は肘の故障は投球数や登板間隔だけでなく、体格や投球フォーム、球種など個人差にも左右される。これが問題を複雑にするとともに、現場の指導者の判断が“感覚”に委ねられる原因となっている。

 この問題に対してスポーツ医学のアプローチから一石を投じる可能性がある、米国初のIoTデバイスが国内市場に投入される。投球データの取得と機械学習に基づいて、肘のケガ予防と投球パフォーマンスを向上させる「motus BASEBALL」(米Motus Globalが開発)である。既にMLBの15球団が導入している。国内ではオンサイドワールドが2019年9月上旬に発売する予定で、価格は2万9800円(税別)という。

「motus BASEBALL」のアプリ画面とセンサー、スリーブ。価格は2万9800円(税別)
(図:motus BASEBALL)
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