SEとは何者かについて、改めて考える機会があった。2019年4月に施行された働き方改革関連法がまだ国会で審議されていた頃、法案の重要なパーツだった裁量労働制の対象拡大が、厚生労働省のお粗末な調査のせいで法案から削除される事態になった時のことだ。

 基幹系システムの開発などに携わるITベンダーの技術者の多くは「SE」という肩書きを持つ。では、SEはいったい何をする職種なのか。簡単そうで、答えようとするとなかなか難しい。

 ユーザー企業が大規模なシステム開発をITベンダーに発注した場合、プロジェクトチームとして多数のSEが参画する。彼らは元請けのITベンダーだけではなく、下請けや孫請けなど多くのITベンダーのSEから成る混成チームとして、システム設計をはじめ、プロジェクトマネジメントやプログラミングなど様々な仕事を担う。

 それゆえ「SEとは何者だ」と聞かれると答えるのに窮してしまう。アーキテクト、プロジェクトマネジャー、プログラマーといった専門性の高い職種と違い、一見それらを包含するSEは、単に技術者の言い換えにすぎないようにも思える。

 だが厚労省によるとSEには明確な定義がある。既にSEの仕事は裁量労働制が認められているが、その対象である「情報処理システムの分析又は設計の業務」は次のように定義される。

 (1)ニーズの把握、ユーザーの業務分析等に基づいた最適な業務処理方法の決定及びその方法に適合する機種の選定、(2)入出力設計、処理手順の設計等アプリケーション・システムの設計、機械構成の細部の決定、ソフトウェアの決定など、(3)システム稼働後のシステムの評価、問題点の発見、その解決のための改善等の業務をいう。さらにただし書きが付く。「プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは含まれない」。

 確かに、これならシステムをエンジニアリングする仕事、つまりシステムエンジニアの仕事そのものである。

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