大手IT企業が相次いで打ち出した人事施策が注目を集めた。

 NTTデータが2018年12月に発表した新制度は、個人の能力や業績に応じて2000万円を超える高額の年俸を支払おうという内容だ。給与水準を世界標準に近づけることで、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)など最新技術に秀でた技術者の獲得を狙う。

 それに先立つ11月には、SCSKが副業の全面的な解禁を発表した。副業先の職種や業務内容を問わず、原則として届け出だけで認める。併せて他社の社員にSCSKで働いてもらう制度も導入した。

 両社の取り組みは異なるが、給与や働き方を柔軟にすることで優秀な技術者を獲得したいという思惑は一致する。空前の技術者不足が続く中、思いきった策を取る必要があったわけだ。

 それはデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するユーザー企業にも言える。今でも語り草になっているのが、2017年夏にトヨタ自動車が地域限定で打った求人広告だ。

 「シリコンバレーより、南武線エリアのエンジニアが欲しい」。JR南武線の駅に掲示したトヨタの求人広告は、多くのIT企業に衝撃を与えた。南武線沿線には富士通やNEC、キヤノン、東芝などの事業所が集まり、「露骨」に転職を呼び掛ける広告はいや応なく、それぞれの事業所に勤務する技術者の目に留まった。その結果、あるIT企業では将来を嘱望されていた若手技術者がトヨタへ転職していったという。

 保守的と言われる金融機関でさえ、思いきった策で優秀な技術者の獲得に乗り出している。最近増えているのが、デジタルビジネスを担う子会社の設立だ。本社採用では高給で処遇できないので、人事給与制度の異なる子会社で採用する。本社では禁止している副業も認めるといった具合だ。

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