久しぶりに会った知人らと交わす英語の挨拶に「What’s new?」がある。さて、日本語では同じシチュエーションで挨拶する際に何と言うか――。

 答えは「お変わりございませんか」。英語の語感のようにカジュアルに言うとしたら「変わりない?」といったところだろう。

 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズでCDIO(チーフ・デジタル・イノベーション・オフィサー)を務める中村哲也氏から聞いた話だ。中村氏は元銀行マンで、GEジャパンに転職して日本における「GEデジタル」の立ち上げと運営を推進した人だ。

 この話を聞いて、なるほどと感心した。英語圏の人たちにとって重要なのは新しいことなのだ。実際、米国人に「What’s new?」と挨拶で問えば、新たに試みたことをいくつも語ってくれるだろう。一方、日本人にとっては何事も変わらないことが大切なわけだ。

 日本企業は保守的で進取の精神に乏しいとよく言われる。しかし不変を尊ぶ日本文化に根差す以上、当然とも言える。それに新しいことを追求するのも、善かれあしかれである。

 今、英語圏の主要国である米国と英国では、これまでの常識では考えられないような事態が同時並行で進行している。トランプ政権が仕掛ける米中貿易戦争であり、欧州連合(EU)からの英国の離脱騒動である。不変を尊ぶ日本人からは信じられないような動きであり、自国はもちろん世界の経済全体に打撃を与えるリスクをはらむ。

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が世界の製造業に先駆けて取り組んだGEデジタルも、同社の業績悪化とともに挫折を余儀なくされた。IoT(インターネット・オブ・シングズ)向けのプラットフォームサービスを核にしたデジタルカンパニーへの脱皮を目指す野心的な試みだったが、GEの主力事業であった電力や鉄道事業の不振に足元をすくわれた。

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