新元号「令和」が公表された2019年4月1日。ユーザー企業や官公庁、ITベンダーの担当者はこの日から、5月1日の改元に向けたシステム対応の追い込みをかけた。

 昭和から平成に切り替わったときに比べて準備期間が十分にあった。和暦を計算処理に使っているケースも今では少ないとみられる。システムの改修はそれほど困難ではなかったはずだ。だが気になる調査結果がある。経済産業省が3月14日に発表した「改元に伴う企業等の情報システム改修等への対応状況に関するアンケート結果」だ。

 それによると、全体の約16%の企業がシステム対応を完了できないとしていた。そのうち半数の企業は「業務の遂行に大きな影響がないことから、改元日以降に対応する予定」という。

 確かに特定部署の中だけで利用しているシステムなら「平成31年6月25日」と表示したとしても業務に支障をきたさない。しかしシステムの調査が十分でなければ、予期せぬトラブルに見舞われ業務の遂行に何らかの影響が出る恐れもある。理由はともあれ、少なからぬ企業がシステムに改元リスクを抱え込むことになったわけだ。

 システム対応に十分な時間があるとみられていたため、調査結果は少々意外な内容だ。改元日以降に先送りしても問題はないとの判断に加え、技術者不足からシステム改修に充てる要員の都合がつかなかったのかもしれない。あるいは平成への改元や2000年問題への対応の際に、抜本的な改修を怠っていたために今回の改元対応に手を焼いた可能性もある。

先送りしてきた課題に取り組め

 実は2025年にもう1つの元号問題のタイムリミットが来る。いわゆる「昭和100年問題」だ。昭和期に作られたソフトウエアを今でも使っている場合に生じるリスクである。日付を和暦の2ケタで扱っており、改元などのタイミングで改修していないならば、昭和100年に当たる2025年にシステム障害が起こる可能性がある。日付を西暦の2ケタで扱っていたシステムが問題となった2000年問題と同じ構図だ。

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