基幹系システムなどで広く使われてきたプログラミング言語COBOLが、役割を終えるときが近づいてきた。

 COBOLの「終わりの始まり」を象徴するような出来事があった。2019年に入って情報処理推進機構(IPA)が基本情報技術者試験の出題を見直すと発表したのだ。2020年春の試験からCOBOLに関する問題を廃止し、代わりにAI(人口知能)などに向く言語として人気が高まっているPythonを出題するという。

 基本情報技術者試験は技術者としてのキャリアをスタートさせようとしている若手の受験を想定している。つまりCOBOLを若手技術者が積極的に学ぶべき技術とみなさなくなったわけだ。英断だと思う。

 COBOLは1959年に登場して以降、60年の長きわたり主要言語の一角を占めてきた。人間で言えば定年もしくは定年間近だが、COBOLプログラムは金融機関や流通業、官公庁などで今でも現役だ。これから先、当分の間は「定年延長」され、基幹系システムとして稼働し続ける可能性が高い。

 ただし、COBOLプログラムが現役のまま今後何十年も稼働し続けるのは問題が多い。企業や官公庁によっては、開発から10年あるいは20年以上たったプログラムが稼働している。事業部門の要望や法規制に対応するために、幾度も改修を重ねた結果、プログラムのソースコードは複雑になり、新たな改修を難しくしている。いわゆるプログラムの老朽化だ。

 システム刷新のタイミングで老朽化したプログラムを処分すべきだが、リスクやコストが高すぎて踏み切れない。中には仕様書などプログラムの情報を記したドキュメントが失われてしまっているケースもあり、プログラムの抜本的な書き直しは困難を極める。そのため、システム刷新はハードウエアなどITインフラにとどめ、業務アプリケーションのコードはそのまま新システムに引き継ぐといったケースが後を絶たない。

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