スウェーデン・ボルボ(Volvo Cars)は2019年3月、運転者の状態を検知する車内カメラの標準搭載を決めた。2020年代初めに発売する新型車から順次導入し、居眠りや酒酔いなどを検知できるようにする。

 第1弾は、2021年にも全面改良する最上位SUV(多目的スポーツ車)「XC90」とみられる(図1)。Volvoは同時に、中大型車向けのプラットフォーム(PF)「SPA(Scalable Product Architecture)」を刷新する計画だ。車内カメラを標準搭載する新PF「SPA2」は、XC90だけでなく、他の「90」シリーズや「60」シリーズなどに広く展開していく(図2)。

図1 Volvoの最上位SUV「XC90」
写真は現行車で、2021年ごろに全面改良する見込み。(出所:Volvo)
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図2 Volvoの試験車両では4個のカメラを搭載
フロントウインドー上部とフロントピラーに配置した。量産に向けてカメラの数や位置を検証している段階という。(出所:Volvo)
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 Volvo社長兼CEO(最高経営責任者)のホーカン・サミュエルソン(Hakan Samuelsson)氏は、「運転者の振る舞いは安全性に大きく影響するためカメラは必要」と、状態監視の意義を強調する。

 「安全」の領域では誰にも負けない――。創業以来のこだわりを体現する重要な機能として、Volvoは車内カメラに大きな期待を寄せる。

酒酔いや薬物使用、“ながらスマホ”まで把握

 運転者監視用の車内カメラ自体は10年以上前に実用化されているが、広く普及しているとは言い難い。これまでは運転者への警告に限定されるものがほとんどで、運転者が得られる恩恵は少なかったからだ。

 機能が限定的だったのは「カメラや認識チップ、アルゴリズムの能力が制約になっていた」(車内カメラに詳しい技術者)のが要因の1つだ。だが、技術進歩でようやく解決しつつある。認識能力の向上によって、「酒酔いや薬物使用、運転中の“ながらスマホ”まで把握できるようになった」(VolvoのSamuelsson氏、図3)。

図3 Volvo社長兼CEOのHakan Samuelsson氏
2019年3月に開いた記者説明会で車内カメラの重要性を説いた。(出所:Volvo)
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