米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズは4月11日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を正式に申請した。来月にも上場が予定されており、上場されれば時価総額は最大1000億ドル(11兆円)にもなると米メディアは報じる。「2019年最大規模の上場」として話題になるなか、同社の上場申請書を読むとライドシェア市場の競争激化とそれに伴う収益性低下への懸念が書き連ねられている。

 以下では同社の上場申請書の「リスク要因」の項目をおもにまとめた。投資家に対するリスク情報の開示であるため、あえて自社の事業を慎重かつ批判的に分析している。それを踏まえても興味深い内容だ。

 「パーソナルモビリティー、食事の配達、そして物流業界は非常に競争が激しい」。「リスク要因」の項目にはまずこう書かれている。同社の主な事業は配車サービスなどの「パーソナルモビリティー」、料理宅配サービスである「ウーバー・イーツ」、貨物輸送トラックの配車サービスだ。いずれの市場もタクシーや公共交通、レストランなど既に確立された選択肢があり、参入障壁が低いために新規参入者も多い。消費者や運転手、レストラン、荷主といった同社のユーザーからすると、他の製品やサービスに移るコストが低いという特徴もある。

上場申請書を通じて競争が激しいことを訴えた
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 ウーバーは事業をグローバルに展開している。ライドシェア事業では3月に上場した米リフトやインドのオラ(OLA)、3月にウーバー自身が買収を発表した中東のカリーム、中国の滴滴出行、エストニアのタクシファイなどと競合している。

 料理配達サービスでは米グラブハブや米ドアダッシュといったスタートアップと激しく争っている。貨物輸送でも米CHロビンソン、米アマゾン・ドット・コムの出身者が立ち上げたスタートアップである米コンボイ、国際的な物流大手独DHLなどの競合がある。

「競合企業の資金は豊富」と指摘

 激化する競争環境においては、料金を下げ続ける必要が生じる一方で、運転手へのインセンティブを増やしたり消費者への値下げをしたりして費用がかさむことになり、収益性は下がる。

 ライドシェア市場は幅広い資金源からの投資を集めているため、競合企業が豊富な資金力を保ち続けると同社は予想する。ウーバーの最大の株主であるソフトバンクグループや米グーグルの親会社である米アルファベット、滴滴などがウーバーの競合にも投資している。

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