2019年4月、働き方改革に向けて大幅に改正された関連法が施行され、企業はその対応に乗り出している。その多くは「業務の効率化」「仕事とプライベートの両立」といった目的にとどまるが、働き方改革を業績の拡大にうまくつなげている企業が出てきた。仕事の効率化を進めて残業ゼロで働けるようにすることで、社員から新商品のアイデアが続出。売り上げ増に結びつけた化粧品の製造・通信販売会社の取り組みを紹介しよう。

 社員は残業せず午後5時には退社する一方で、創業以来13年連続で増収を続けている化粧品の製造・通信販売会社がある。化粧品ブランドの「マナラ化粧品」を展開するランクアップだ。2005年創業で2006年5月にマナラ化粧品を発売した。

 主力はメイクを落とすクレンジング商品「マナラ ホットクレンジングゲル」だ。肌が温かく感じる成分と美容液の成分で汚れを落とす。

ランクアップの化粧品ブランド「マナラ化粧品」。写真左から2番目にあるのが「マナラ ホットクレンジングゲル」だ
(出所:ランクアップ)
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 2006年に発売したホットクレンジングゲルの累計販売本数は2018年6月に1000万本を超えた。温感クレンジング商品という新ジャンルを立ち上げた先駆的な商品であり、国内のクレンジング商品の中でのシェアは出荷本数ベースで約5割を占めるという。

 ランクアップが業績を伸ばし続けているのは、主力のホットクレンジングゲルの売り上げ好調だけが理由ではない。新しい商品の開発も事業の拡大に寄与している。新商品を相次いで市場に投入し、新商品関連の売り上げの総額を主力のホットクレンジングゲルの売上高に匹敵するまでに伸ばした。

 約70人の社員のほとんどは女性で、育児や家事と仕事を両立しているケースが少なくない。こうした社員が残業せずに帰宅して、家事や育児に専念。「その中で新しい発見を得て、これまでにない新商品が生まれている」と同社の岩崎裕美子社長は明かす。

 新商品の1つが30秒程度でメイクを済ませられるようにしたファンデーション「マナラ BBリキッドバー」だ。家事と仕事を両立するある社員が「小さな子供を育てている働く女性は子供の世話や家事に追われて自身のメイクに時間をかけられない」という事情に着目。これをきっかけに新商品を誕生させた。2014年秋に発売してから1カ月で1万本を売り上げた。

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