2019年4月、働き方改革に向けて大幅に改正された関連法が施行され、企業はその対応に乗り出している。その多くは「業務の効率化」「仕事とプライベートの両立」といった目的にとどまるが、働き方改革を業績の拡大にうまくつなげている企業が出てきた。ソーシャルメディア関連のコンサルタントの提案力を高めるために、クラウドソーシングとテレワークを活用し、売り上げを5倍に伸ばしたITベンダーのある事業部の取り組みを紹介しよう。

 働き方改革に着手して1年で売上高を前年度比2倍、2年後には同5倍にまで伸ばした企業の事業部門がある。ITベンダーのガイアックスでSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったマーケティングのコンサルティングサービスを手掛けるソーシャルメディアマーケティング事業部だ。

 同事業部は3年前の2016年から働き方改革に着手し、2つの策を講じた。ネットを介して多くの人たちに業務を任せるクラウドソーシングと、会社という場に限定せずに働くテレワークである。

ガイアックスのソーシャルメディアマーケティング事業部が講じる2つの施策
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 ガイアックスでソーシャルメディアマーケティング事業部を統括してきた管大輔ソリューション事業本部本部長は「その結果、顧客企業の売り上げ増につながる企画提案をより多くできるようになり、業績向上につなげられた」と話す。

時間的な余裕が生まれて提案内容が進化

 働き方改革に取り組む以前、コンサルタントが手掛けていた仕事は運用代行が多かった。企業が公式SNSアカウントを通して公開するコンテンツの制作や投稿といった業務だ。コンサルタント1人で多くの案件を抱えていたこともあり、より踏み込んだ提案ができていなかった。

 そこで管本部長はコンサルタントがそれまで担当していた作業の一部を肩代わりしてもらうため、クラウドソーシングを導入した。コンサルタントが企画検討などに集中できるようテレワークも同時に始めた。同社が「リモートワーク」と呼ぶ施策である。

 2つの施策によってコンサルタントに時間的な余裕が生まれた。コンサルタントはSNSを使ったマーケティング施策に関する知識とスキルを身に付けられるようになり、顧客向けに提案内容を検討できるようにもなった。

 その結果、以前は「企業の公式SNSアカウントにどんなコンテンツを投稿すればよいか」などにとどまっていた提案内容が、今は「顧客企業の商品やサービスを最終顧客が自ら評価してSNSで発信し、口コミで話題にするにはどんな施策が有効か」といった、SNSの影響力を生かす提案が増えている。

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