「副業が会社の服務規定に違反していて、重い処分につながってしまうケースを耳にする機会が増えている」。IT企業出身の社会保険労務士である、SRO労働法務コンサルティング代表の杉本一裕氏はため息をつく。副業をしたい人は、やっていい副業、悪い副業を押さえておく必要がある。

 ITエンジニアが特に注意する必要があるのは、副業のせいで本業に損失を出す「利益相反」だ。杉本氏は「IT業界でよく見かける、個人事業として他社のシステム設計やプログラミングを手伝う副業は、契約相手や仕事内容をきちんと確認しないと利益相反に該当する場合がある」と指摘する。

 トラブルに発展する典型パターンが、本業の取引先から個人事業として業務委託契約で仕事を請けるような副業だ。杉本氏は「元請け企業の社員が、下請け企業から設計やプログラミングの仕事をこっそり個人で受注して、問題になるケースをよく耳にする」と打ち明ける。

 IT業界、特にSI(システムインテグレーション)業界では、元請け企業がいくつかの下請け企業とともにプロジェクトを進める場合が多い。一般に元請け、1次下請け、2次下請けと順番に単価は下がっていくが「2次下請けであっても、個人事業として請けると売り上げが全て手取りになる。本業の時給を上回る金額になる場合が多い」(杉本氏)。

利益相反になりやすい副業の例
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 金銭的な魅力はあるが、これは甘いわな。利益相反のある副業をしてしまうのは極めて危険だ。杉本氏は「発覚したときには相当に重い処分が下される。注意や始末書程度では済まず、減給や出勤停止になる」と警告する。場合によっては懲戒免職、つまりクビになることもあり得る。

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