「セルローズファイバーでどう気密?」「合理的な2重垂木の施工法は?」。屋根断熱の結露トラブルを回避する秘策を、経験豊富な実務者と専門家に聞いた実践例から紹介する。

Q. セルローズファイバーでどう気密?
A. 透湿防水シートをテープ処理する

 環境に優しい建材を使った家づくりを提案している道下工務店(京都府福知山市)は、約3年前にセルローズファイバーを用いた屋根断熱の仕様を導入した。

 同社の仕様の特徴は、母屋の間に下張りする透湿防水シートにある。セルローズファイバーを閉じ込める機能と、屋根断熱の通気層をつくる機能に加えて、気密を確保する機能を持たせている〔図1、写真1〕。

〔図1〕透湿防水シートで気密
セルローズファイバーで屋根断熱を施工する標準的な方法。母屋上の透湿防水シートと母屋下の不織布の間に断熱材を吹き込む(資料:デコスの資料に日経ホームビルダーが加筆)
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〔写真1〕透湿防水シートで気密
道下工務店の現場で透湿防水シートを張り終えた状態。シートの四周をステープルで留め、その上に防水気密テープを密着させる(写真:日経ホームビルダー)
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 透湿防水シートで気密を確保する方法は、セルローズファイバーを製造するデコス(山口県下関市)の施工代理店であるエコ・スタイルコーポレーション(兵庫県朝来市)が提案した。エコ・スタイルコーポレーションの白箸宏司統括マネジャーは「セルローズファイバーの調湿性能を生かすために、防湿・気密シートを張らずに済ませた」と話す。

 セルローズファイバーで屋根断熱の性能を強化したい場合は、厚さを増やせばよい。ただ、むやみに厚くすると、重さで垂れ下がったり、密度にばらつきが生じたりする。

 デコスでは1回に吹き込める厚さを200~250mmとし、1回の吹き込みごとに断熱材を保持する下地材と不織布の施工を求める。断熱性能が極めて高い住宅を多数手掛ける夏見工務店(滋賀県栗東市)の現場では、厚さ360mmの屋根断熱を2回に分けて吹き込んだ〔図2、写真2〕。

〔図2〕下地材を複数の層に分ける
セルローズファイバーで屋根断熱の厚さを増す標準的な施工方法。下地材を複数の層に分ける。左の写真は夏見工務店の施工現場で、1層目の下地材と不織布を施工している様子(資料:デコスの資料に日経ホームビルダーが加筆)
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夏見工務店の施工現場で、1層目の下地材と不織布を施工している様子(写真:エコ・スタイルコーポレーション)
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1層目の吹き込みを終え、2層目の下地材を施工している様子。設計はキーアーキテクツ(写真:エコ・スタイルコーポレーション)
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〔写真2〕下地材を複数の層に分ける

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