今回は、メンバーや他部署との交渉がうまくいかないという石田さん(仮名)からの相談です。

 私は、今期から全社の働き方改革プロジェクトのリーダーを任されています。でも、メンバーとのコミュニケーションや他部署との交渉が思うように進みません。いつも私だけが我慢して損をしていると感じ、心が折れそうです。

 複数の意見を擦り合わせ、自分の要求を相手に認めてもらって、うまく合意するためには、どのようにすればよいのでしょうか。

ネゴシエーションスキルとは

 ネゴシエーションとは、「交渉・折衝」という意味です。意見や方向性の不一致が発生したときに、議論によって合意や調整を図ることです。単なる駆け引きのテクニックではありません。

 ビジネスシーンでは利益や実績を優先させるために、相手に対してできる限り優位な条件や立場で取引しようとします。議論や話し合いによって互いの要望や条件を調整しながら、最終的には「ウィウィン(win-win)」の関係につなげることが最も望ましい姿です。

 よくネゴシエーションを「勝つか負けるか」の視点で考える人がいますが、そうではありません。この点を誤解してしまうと、相手をいかに窮地に追いやって勝利するか、どのように駆け引きして自分たちを有利な状況に持っていくか、などと考えてしまい、本来のネゴシエーションからかけ離れたものとなってしまいます。

 ネゴシエーションスキルは交渉相手を説得するためではなく、互いが納得できる結果を導き出して、信頼関係を構築するためのスキルといえます。人質交渉や企業買収交渉などの場面で、特別なスキルを持った専門家が使うものだという印象を持ちがちですが、日々のあらゆる生活に密着しているものです。

 今日は早く帰りたかったのに上司に急な仕事を命じられた。この製品は値下げをせずに受注をしたい。子供の保育園のお迎えにはどちらが行くか──。こうした場面でも、ネゴシエーションスキルを身に付けることで、コミュニケーションが円滑になるだけではなく、互いに協力して問題解決に当たることができます。

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