今回の相談は、「チームの和」についての相談です。

 みんな、自分に与えられた仕事しかせず、他の人のことを気に掛ける人なんていません。私は同僚の仕事が忙しくて残業になりそうになったら、できる範囲で手伝っています。でも、私が忙しいときには、誰も声を掛けてくれず、協力し合う意識の低さにはがっかりです。

 チームが目標に向かって進むために、メンバーが有効な情報や進捗を共有しながら進めているのに、1人だけ何も報告をしない人もいます。その人の作業が終わらないと次の段階に進めないのに情報を共有してくれないので、スムーズに仕事を進めることができません。進捗を尋ねると「問題ありません!」と強気な態度を取られて…。正直、一緒に仕事をしたくありません。

 こんなとき、どうすればよいのでしょうか。

集団凝集性とは

竹村 孝宏
イントランスHRMソリューションズ代表取締役社長(出所:著者)

 集団凝集性とは、集団が、構成するメンバーを引きつけて、その集団の一員であり続けるように動機付ける力です。集団凝集性が高い集団は団結力が強くて仲間意識が高いため、生産性や効率性が高いといわれています。

 集団凝集性が高いチームでは、全てのメンバーが「そのチームに属していることに価値がある」と考え、メンバーが協力的な姿勢をとるため、チームの目的や目標の達成可能性が高まります。

 米国の心理学者レオン・フェスティンガーは、集団凝集性には「対人凝集性」と「課題達成凝集性」があると述べています。対人凝集性とは、メンバー同士のコミュニケーションが活発で、好意的な人間関係が育まれており、居心地が良いので集団にとどまりたいと感じることです。

 一方、課題凝集性とは、このチームに所属していればそれぞれのメンバーが、達成したい目標を達成できそうだと感じることです。

 集団凝集性を高め、快適でパフォーマンスの高い集団にするためには、対人凝集性と対課題凝集性の両方を高める必要があります。

 集団凝集性は、次のような要素を持つ集団において高まりやすいといわれています。

[1]集団の規模が小さい

 小さな集団であるほど集団凝集性を発揮しやすく、規模が大きくなるほど難しくなります。しかし、大きい集団だからこそ実現できる目標や達成感もあり、小さい集団にも負けることのない高い集団凝集性を得ることは可能です。

[2]集団に参加するための条件がある

 人は、簡単に参加できる集団よりも、参加しにくい集団に価値を感じます。例えば、ネームバリューのある企業や特殊なスキルが要求される集団など、社会的地位を得られる集団へ参加する優越感は、集団内にとどめる力として有効です。

[3]メンバー同士が過ごす時間が長い

 一緒に長い時間を過ごすことで、集団凝集性は高まります。メンバー間のエンゲージメントが共有した時間の長さと比例して高まることは、例えば、新入社員研修や長期のプロジェクトチーム活動で認知されています。

[4]ライバルや外的脅威があること

 ライバルの存在や外的脅威が大きければ大きいほど、メンバーの団結力は高まります。本当に敵対する集団でなくても競争相手を想定すれば団結しやすくなります。ただし、大き過ぎる脅威には自信喪失や諦めなどの感情を引き起こすリスクがあります。

[5]成功体験を持っている

 チームが成功体験を共有していれば集団凝集性は高まります。一致団結して課題を達成したという成功体験は、より高度な課題にチャレンジするための自信やチームの結束を生み出します。

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