今回は、会議がいつも長引いてしまう上に結論は出ないという悩みを抱えるAさんからの相談です。

 先日、課の残業を減らすための会議が開かれました。

A:「残業する人は、午前中に上司に申請して承認をもらったらどうでしょうか」

B:「午前中は席にいない人が多いんだから、そんな申請出せるわけがないでしょう」

A:「では、上司が早く帰れば部下も帰るのではないですか」

課長:「私だってやることがいろいろあって、忙しいんだ!」

 他の人は、このやり取りを黙って見守っているだけ。一部の人の発言で、いつまでも堂々巡りが続き、ダラダラした会議……。1時間で済ませるはずだった打ち合わせは長引いて、何の結論も出ないままに終わってしまいました。

 うちの課の会議はいつもこんな調子なのですが、一体何がいけないのでしょうか。

ファシリテーションとファシリテーター

竹村 孝宏
イントランスHRMソリューションズ代表取締役社長(出所:著者)

 皆さんにも、こんな経験はありませんか? こうした場合にはファシリテーションが効果的です。ファシリテーションとは、複数の人が集まって行う活動が効率よくスムーズに進められるように支援することです。ビジネスシーンにおけるファシリテーションは、会議やプロジェクトなどの場面で、参加者の発言を引き出したり、議論をまとめたりしながら目標達成を目指す活動です。

 ファシリテーションの役割を担う人を、ファシリテーターと呼びます。会議などの場合、中立的な立場で意思決定には関与せず、会議のセッティングや進行、参加者による意思決定のサポートを行います。

ファシリテーションによるメリット

 ファシリテーションを行うことで、さまざまなメリットが生まれます。例えば、会議においては次のような利点があります。

[1]会議時間の短縮

 会議の場づくりを行うこともファシリテーションです。会議の目的や明確なゴールの設定、参加者の選定、各議題の時間設定をすることで、スムーズに会議を始めることができます。

 会議の進行においては、参加者全員の意見を吸い上げてまとめることで、限られた時間内で、参加者全員が納得できる結論を導き出すことができます。

[2]生産性向上への貢献

 ファシリテーションを行うことでしっかりとリードできれば、会議が迷走することなく結論に到達することができます。

 そもそも会議を開くべきかどうかを事前に判断することも大切な役割です。必要な議題に絞り込んだり、会議回数を減らしたりすることで、組織全体の生産性を向上させることができます。

[3]新たなアイデアの創出

 会議で斬新なアイデアを生み出すためには、参加者の多様性を生かして、互いが尊重し合える場を持つ必要があります。

 発言を促して議論の流れを整理することにより、アイデアが出やすくなります。アイデアが出れば議論も活性化し、さらに発想が広がる好循環が生まれます。

[4]参加者のモチベーションアップ

 参加者全員の意見を傾聴し、尊重しながら議論を導くことで、参加者は発言しやすくなります。結論や方向性に疑問があったり、議論が停滞したりすると参加意欲が低下してしまいます。

 ファシリテーションにより、議論が整理されて結論に向かって進むようになると、ゴールが明確になり、参加する意欲が高まります。

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