ある会社で次のようなやり取りをした田中課長(仮名)から相談を受けました。

 今年度の課の開発目標について、私(相談者;田中課長)の所に主任の上田(仮名)が来年度の課の開発テーマを指しながら、すごい剣幕で詰め寄って来ました。

上田主任:「昨年度の開発目標でさえやっとのことで達成したのに、来年度は案件がさらに30%増える。その上、今の人員のまま進めろなんて、むちゃくちゃですよ」
田中課長:「全社の目標を達成するには、来年度はこれをやらないといけないという部の方針だ」
上田主任:「じゃあ、課長は上から言われたからしょうがないと思っているんですか」
田中課長:「そんなことはない。私も難しいと思っている。でも、とにかくこれでいくから」

 私も納得してはいなかったのですが、部の方針だったので申し訳なく思いながらも、上田主任との話を突っぱねるように打ち切りました。私はこのまま部下に目標を押し付けていくだけでよいのでしょうか──。

数字を求めるだけでは長続きしない

竹村 孝宏
イントランスHRMソリューションズ代表取締役社長(出所:著者)

 似たような状況にある職場は多いのではないでしょうか。組織は、目標達成という成果を出すために作られた集団です。業績に対して確実な成果が求められる中で、成果や、成果に直結する行動を組織は追い求めがちです。

 職場では、目標数字があちこちに張り出され、進捗会議のスケジュールがびっしりと予定されています。リーダーは、常日頃から結果を求められており、何よりも結果を出すことが大切であることは言うまでもありません。

 数字に偏った追求は、短期的には結果が出るかもしれません。リーダーが権力を行使したり、アメとムチを振りかざしたりして、強制的にメンバーの行動を変えさせることもできるかもしれません。でも、長続きしないでしょう。

 行動を変えるためには、メンバーの意識を変える必要があります。しかし、意識を変えようとすると、「どうして私だけがやらなければならないのか…」「なぜチームのために行動しなければならないのか…」という不信感を持つ人が出てきます。

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